男女ペアは万国共通ではない? 国によって異なる座席システム
隣の席になった異性のクラスメイトに心惹かれていく──少女マンガや青春ドラマなどでよく目にする場面ですが、どうやらこの描写が通用しない国もある模様。というのも、ナージャさん曰く、座席の並び方は国によって大きく異なるからです。
「いろんな国のいろんな座席システムに出合った。男女ペア席、一人席、5~6人でひとつのテーブルを囲む座り方、机をひとつの円をつくるように並べてみんな向き合う座り方、複数の家具を教科ごとに使い分けるやり方……。それは、転校するたびにルールが変わるゲームのようで面白かった」
ちなみに、ロシアの小学校では男女がペアで座る方式が採られていたようですが、ナージャさんはその効果をこのように考察しています。
「男女ペア席の場合、子どもの授業における集中力がアップするようだ。なぜなら、小学生の男女は友だちになることが少なく、そのため授業中の雑談が少なくなり、みんなまじめに先生の話を聞くようになる。また、あえてやんちゃな男子を勉強がデキる女子の横に座らせるとこの効果はさらに向上する。責任感が強いデキる女子が勝手にやんちゃな男子の世話役になることが多く、男の子の学力向上の可能性が見込めるようだ」
授業中でも楽しそうにおしゃべり
一方、イギリスの小学校では、大きなテーブル席に5~6人が座るという授業を体験します。彼女を驚かせたのは、授業中でもみんなが楽しそうにおしゃべりを始めたことでした。しばらくしてナージャさんは、それが単なる井戸端会議ではなく、答えについて語り合っていたということが分かり、このような結論を導き出しました。
「なるほど、ここは個人戦ではないんだ。勝負の世界に生きてきたわたしにはとても新鮮だった。教科ごとに輝く子どもが必ずいた。『この教科は〇〇に聞こう!』というのが学びのスタンスだった」
ナージャさんは、次の転校先であるフランス・パリの小学校でもカルチャーショックを受けます。彼女が編入した外国人向けのクラスでは、一人ひとりの机が円をつくるように並び、さまざまな国からやってきた生徒たちが激しく議論を繰り広げていました。
「宗教、言語、主義、価値観、国民性など、いろんなことが浮き彫りになっていく。先生はある種のファシリテーターであり、正解/不正解を言うことは計算問題と文法以外にあまりなかった。そうか、正解がないこともたくさんあるんだ。わたしには、新鮮だった」
イラストで見る各国の学校の「違い」
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『6カ国転校生 ナージャの発見』より
イラスト/Hugo Yoshikawa
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