米倉涼子さんが見た、最新のおすすめエンタメ情報をお届けします。
伊坂幸太郎さんの小説をブラッド・ピット主演で映画化した、『ブレット・トレイン』の日本語吹替版に参加しました。
私が声を担当したのは、ブラピ演じる殺し屋に電話で指示を出す女性、マリア。サンドラ・ブロックが演じている、謎めいたキャラクターです。
『ブレット・トレイン』 全国の映画館で公開中
ほとんど電話越しでしか登場しない人物なので、ディレクターさんの演出に応えて声のお芝居をすることに苦労しました。『アベンジャーズ』シリーズのブラック・ウィドウでの経験があってよかったなと思いましたね。
声だけのお仕事は何度経験しても難しいのですが、だからこそ毎回勉強になります。
今回はディレクターさんと相談しながら、イントネーションを調整したり、ジョークの言い方をちょっと変えたりしながら、マリアを演じていきました。
東京発の超高速列車でブリーフケースを盗むというミッションを受けた不運な殺し屋が、ほかの殺し屋たちに命を狙われるというストーリーなのですが、とにかくスピード感がすごいんです!
ハリウッドのアクション映画を見慣れている人でも、テンポ感にびっくりするんじゃないかな? というくらい。
ハイレベルなアクションが次から次へと繰り出されて濃いキャラクターもたくさん出てくるので、吹替版を観たほうが会話の面白さやストーリーを楽しめるかもしれません。
列車の中のデザインや風景、マスコットキャラクターや日本人の登場人物は“アメリカ人から見た日本”という感じ。
リアリティへのこだわりは捨てて、『ブレードランナー』のような“想像上のニッポン”と捉えたほうが楽しめると思います。
アンラッキーな殺し屋を演じたブラピは、ひたすらかわいかった! 年齢を重ねて、“かっこいい”だけではなく“かわいい”キャラクターを演じているところに、同じスターでもトム・クルーズとの違いがあると思います。
どこか飄々とした人物を楽しそうに演じているという意味では、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』に通じるものを感じました。そして真田広之さんがスクリーンに出てくると安心感があって、アクションも相変わらず本当にかっこいい! この映画を観ると、ハリウッドで求められ続けている理由がわかると思います。
私も来日イベントに参加したかったのですが、別のお仕事と重なってしまい泣く泣く不参加に。ブラッド・ピットや監督とお会いして話したかったし、昔から仲良くさせていただいている真田広之さんとレッドカーペットを一緒に歩きたかった! とても残念でしたが、いつかまた機会があることを願っています。
私は自分の声があまり好きではないので、吹替のお仕事をいただいたときはキャラクターにうまくハマっているかどうか、いつも不安なんです。今回も映画館にこっそり観に行って、確認してみようかなと思っています。
<映画紹介>
『ブレット・トレイン』
世界一運の悪い殺し屋・レディバグが引き受けたミッション、それは東京発の超高速列車でブリーフケースを盗み、次の駅で降りること。簡単な仕事のはずが、次から次へと乗ってくる殺し屋たちに命を狙われ、降りたくても、降りられない最悪な状況。列車はレディバグと殺し屋たち、10人を乗せたまま終点・京都に向かうが……。原作は伊坂幸太郎の小説 『マリアビートル』(角川文庫刊)。
原作:伊坂幸太郎「マリアビートル」(角川文庫刊)
監督:デヴィッド・リーチ
脚本:ザック・オルケウィッツ
キャスト:ブラッド・ピット、ジョーイ・キング、アーロン・テイラー=ジョンソン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、アンドリュー・小路、真田広之、マイケル・シャノン、バッド・バニー(ベニート・A・マルティネス・オカシオ)、サンドラ・ブロック 日本語吹替版声優:堀内賢雄(レディバグ)、山本舞香(プリンス)、津田健次郎(タンジェリン)、関智一(レモン)、木村昴(ウルフ)、井上和彦(エルダー)、阪口周平(キムラ)、立川三貴(ホワイト・デス)、フワちゃん(ホーネット)、米倉涼子(マリア)
上映時間:2時間6分
レーティング:R15+
構成/片岡千晶(編集部)
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