たった1冊の本との出合いによって、人生が変わってしまうことはあり得ます。それくらい良い本は、思想に影響を与えるからなんですよね。
良書は、人生を輝かせる手助けをします。人々は、どんな本に出会い、影響を受けてきたのでしょうか。
自分の人生を変えた本とは?
mi-mollet(ミモレ)読者にアンケートをとったところ、「本に影響を受けたことがある人」が色々といらっしゃいました。
たとえば……
・『生きて行く私』(著:宇野千代、KADOKAWA刊)
<内容:明治、大正、昭和、平成と生き抜いてきた女流作家が、波乱の人生行路を率直に綴る>
「人生で迷っていたときに読みました。恐ろしいほどの行動力と自然体の生き方に感服しました。自由奔放とも言えますが、その自由さには強さと責任が感じられ、天真爛漫さを持つ女性だったのだと感じました。
行動したことを後悔するよりも、行動しなかったことを後悔するほうが嫌だと思い、決心がつきました」
・『きらきらひかる』(著:江國香織、新潮社刊)
<内容:私たちは十日前に結婚した。しかし、私たちの結婚について説明するのは、おそろしくやっかいである――。笑子はアル中、睦月は同性愛者で恋人あり。そんな二人はすべてを許しあって結婚した、はずだったのだが……>
「高校生のときに読んで、好きになることの形が色々あるのかもしれないと思いました。」
・『我慢して生きるほど人生長くない』(著:鈴木裕介、アスコム刊)
<内容:息苦しさや生きづらさを抱え、我慢を重ねてきた人たちを長年サポートしてきた鈴木裕介医師が自分の心に素直になって、我慢せず生きる方法をお伝えします。>
「コロナ禍、SNS社会、社会情勢、人間関係の問題などで、みんな体や心身に不調をきたしています。
日本人は悩みを溜めて寿命を縮めたり、日々楽しめなかったりする人が増えていますが、この本で、生きている間、何ができるか、どうストレスなく自分らしく生きられるかが分かりました。」
その他にも、『もの食うひとびと』(著:辺見庸、角川書店刊)、『新しい自分になる本』(著:服部みれい、筑摩書房刊)、『もう牛を食べても安心か』(著:福岡伸一、文藝春秋刊)、『ぼくは勉強ができない』(著作:山田詠美、新潮社刊)、『サラの鍵』(著:タチアナ・ド・ロネ、訳:高見浩、新潮社刊)、『にんげんだもの』(著:相田みつを、文化出版局刊)など、さまざまな本に影響を受けた人々がいらっしゃいました。
本を読まないと、乗り越えられる時代じゃない!?
本の楽しみ方は、それぞれ。小説の主人公に感情移入しながら疑似体験するといった、「娯楽としてたしなむこと」もあれば、エッセイやノンフィクションの本などで知識や知恵を得て、「自己を成長させる」こともあります。
「本も読まないで、のりこえられる時代じゃないですよ」
これは、実業家・斎藤一人さんの言葉です。私も同意見です。この時代は、自分だけの経験だけで学び、乗り越えていこうとするには、難しいことが多すぎます。
人は「思想」によって、「発する言葉」「行動」が変わり、その結果、「相手の態度」「環境」、そして「人生」までもが変わっていきます。つまり、「どれだけ“幸せになれる思想”を持てるのか」が重要なのではないでしょうか。
でも、現代は、学歴社会、競争社会において、人々はどんどん自己を見失い、「幸せになれる思想」からかけ離れていってしまうことが少なくありません。
誰もが「出世して、お金持ちになって、多くの人が羨むようなパートナーを得たら幸せになれる」ほど、人生は単純ではありません。
私たちはさまざまな影響から、「幸せの形は、こういうものだ」と思い込んでしまっているところがあるのです。それで、「本当の、自分に合う幸せ」を見失っている人もいます。
だからこそ、良書を読むことで、一度、人生を立ち止まり、「自分はどうありたいのか」「どう生きていきたいのか」「自分にとっての幸せは何なのか」について考えていくことが大事なのです。
そんな「人生において、最も大切なこと」をやらない理由には、「読書を好きではない」からというのが、あるかもしれません。
では、どうして本を苦手とするのでしょうか。その答えを探していくと、今後、「自分の子供が本を好きになるヒント」も隠されているかもしれません。次のページで考察していきます。
【漫画】本との出合いが、人を変える
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