31万人フォロワーを誇るYouTube「GOROGORO KITCHEN」のMamikoこと井筒麻三子さんが、パリ暮らしの魅力を伝えます。

 

日本と同じように、フランスでは食材の旬がとても大切にされています。「美食の国と言われるんだし、そんな当たり前でしょ!」と思われるかもしれませんが、私にとっては少し驚きでした。というのも、パリに来る前に住んでいたイギリスでは、正直あまりそれが感じられなかったからです。

そうは言ってもロンドンに住んでいた頃は「イギリスはご飯がまずいと言われるけれど、そんなに悪くないぞ?!」と思ってました。当時のイギリスはまだEU、ヨーロッパ中から良い食材が入ってきていたし、お給料の高いロンドンで働きたい腕利きのシェフや料理人は多く、おかげでレストランもわりと美味しかったのです(もちろんちゃんと選べば、ですが)。

ところがパリに移り住んでみると、やはり食環境のレベルが違うことを実感。まず一番感じたのは、お魚です。ロンドンのスーパーで売っている魚といえば、真空パックになっているサーモンぐらいでしたが(そのため「ヨーロッパの人はやっぱり魚を食べないんだな〜」と残念に思っていた)、この国だと大きなスーパーなら大概どこも、氷が敷かれた上にいろいろな魚介類が並べられたお魚コーナーがあります。野菜や果物類も、一年中ほぼ代わり映えのなかったイギリスのスーパーに比べると、種類も断然豊富。

お魚は大概、切り身でなく丸ごと販売。注文後に鱗や内臓を取ってくれるシステムになっているので「頭は残して」とか「内臓だけ取って欲しい」といった注文もできます。

そして決定的に違うのは、やっぱりマルシェの存在。ロンドンにもファーマーズマーケットはありましたが、パリのマルシェほど日常的かつ活気があるわけでもなく、値段も高めだったりで、あまり利用しなかったのです。ところがパリのマルシェは、野菜、魚、肉にチーズ、なんでもござれの揃いっぷり。需要と供給がマッチしているせいか、お値段も手頃です。

フランスが美食の国とはわかっていたものの、同じヨーロッパだから……と無意識のうちにイギリスと同じくくりにしてました。スミマセン。一般の人々の食材からしてここまで違うとは!

フランスに来たことのある方ならご存じと思いますが、マルシェはなんでも美味しいものが揃っている、心ときめく場所です。


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フランスの旬が溢れる井筒さん行きつけのマルシェ
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