家事の24時間営業はやめて、夜寝る前は紙コップで使い捨てに

家事は24時間、365日やらなきゃいけないという考えを持つ必要はありません。もっと気楽にいきましょう。

「24時間家事を受けつけます」というスタンスをやめて、夜7~8時になったら店じまい。それ以降は「お客さんのセルフ」と考え、家事を発生させないようにしましょう。夜、飲み物のグラスを使うなら、自分で洗うか紙コップを使ってもらいます。

 

浴室の排水口にたまる髪の毛…さっと掃除しやすい工夫が


浴室の排水口は蓋がしてあるために、汚れがわかりにくいものです。掃除をするときにあけてみたら、たくさんの髪の毛に石けんカスなどがからまって、不快な気持ちになってしまいます。解決策は、あえて排水口の蓋をはずしておくこと。

浴室から手が届く、洗濯機の側面にマグネットでティッシュを設置しています。

入浴中、家族それぞれが自分の髪の毛がたまっているとわかれば、自分で「掃除しなきゃ」と思うはず。お風呂から上がって着替えてから、浴室に戻って掃除するのはおっくうになってしまうので、浴室から手を伸ばして取れる位置にティッシュペーパーを設置するのがポイントです。
排水口の位置によっては、つまずいて転びやすくなってしまうので、その場合はやめてください。

家族のモノのワンオペは終わり。自分が使うモノは自分で管理

片づけが苦手な人の場所は、出し入れしやすい便利なところにしてあげると管理しやすくなります。

子育ても終わった世代。そろそろ主婦/主夫がひとりで家中を管理するのは卒業しましょう。日用品は、棚の1段を個人のエリアと決めて、それぞれで管理。シェービングクリームや整髪料などは、なくなったら本人が補充するようにします。

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60代は働き盛りの頃よりは若くはありませんが、高齢者というにはまだまだ若い。これからだんだん思い通りに体が動かなくなったり、節々に痛みが出たり、疲れを感じやすくなったりします。自分は元気でも、親の介護の必要に迫られることもあるでしょう。
今こそいいタイミングです。昔教わった常識を脱ぎ捨てて、自分の都合のいい方法にどんどんシフトしていきましょう。

著者プロフィール
本間朝子(ほんまあさこ)さん

知的家事プロデューサー。不動産会社の企画営業、フードプランニング会社のチーフディレクターを経て独立。自分自身が仕事と家事の両立に苦労した経験から、時間と無駄な労力を省く家事メソッド「知的家事」を考案。「時間がない」「家事が大変」と嘆く多くの主婦の悩みを解決している。NHK「あさイチ」、日本テレビ「ヒルナンデス! 」などのテレビや『クロワッサン』『レタスクラブ』といった雑誌、テレビドラマの時短家事アドバイザーとしても活躍。住宅の家事動線のプロデュースや家事グッズの商品企画なども行っている。『家事の手間を9割減らせる部屋づくり』(青春出版社)、『ゼロ家事』(大和書房)など著書多数。
http://honma-asako.com/

『60歳からの疲れない家事』
著者:本間朝子 青春出版社 1540円(税込)

60歳を過ぎると、どうしても億劫になってくる家事。本書は知的家事プロデューサーの著者が教える、できるだけ手間と負担を減らして「疲れない家事」を実践するためのアイデア集です。「1回着ただけの服のしまい場所をつくれば、洗濯物がとたんに減ります」「カレーに粉寒天を加えるだけで、保存も洗い物もラクラクです」など、暮らしの隅々の小さなストレスを解消する工夫が満載。パートナーや家族とも共有したい、未来に備える一冊です。



撮影/小野岳也
構成/金澤英恵