注目作の出演が続く女優の三浦透子さん。「演技力が凄すぎる」と言われる役者のお一人でもあります。現在放送中の社会派ドラマ『エルピス -希望、あるいは災い-』(カンテレ・フジテレビ系/月曜よる10時放送中)では冤罪問題と闘い続ける女性、大山さくら(チェリー)役を演じています。物語の展開を握る印象深い役柄です。三浦さんが南仏カンヌに滞在中、作品の見どころと自身の役作りについて語ってくれました。
役者も作品に対して責任を持ちたいし、一緒に闘わせてほしい
女優の三浦透子さんにお会いしたのは、夏の日差しをまだ感じる快晴続きの南仏カンヌの10月某日。ドラマ『エルピス』のアジアン・ワールド・プレミア上映会に出席するため、世界最大級のTVコンテンツ国際見本市MIPCOM(ミップコム)に来場した三浦さんは、その日パレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ会場の一室で、アメリカ、イギリス、ラテンアメリカなど次々と、世界各国のエンターテインメント雑誌の取材に応じている最中でした。
淡いブルーのパンツスーツを着こなした三浦さんは、画面を通じてイメージされる冷静な雰囲気そのまま。ただし語り始めると、違う一面も。冒頭から熱がこもった言葉に驚かされます。
「この作品って、メディアを通してメディアの問題を扱うメタ構造。チャレンジングなものに関われることが純粋に嬉しいです。役者はオファーを受けて出演する職業ですが、自分たちには責任がないかというと、そうじゃない。名前を連ねる上で作品に対して責任を持ちたいですし、一緒に闘わせてほしいと常に思います」。
三浦さんの説明の通り、ドラマ『エルピス』は架空のテレビ局を舞台に、冤罪事件を報道するメディアの姿勢そのものを問う作品でもあります。主演の長澤まさみさんが演じる女子アナウンサーの浅川恵那(あさかわ・えな)をはじめ、メディアの世界で働く登場人物たちが女性連続殺人事件の冤罪疑惑を追っていく話を軸としています。
そんななか、三浦さん演じるチェリーこと、大山さくら役は深夜の情報バラエティー番組でヘアメイクを担当する役回りであると同時に、訳ありの過去を持つ人物です。捉えにくい役柄だったか、三浦さんに率直に尋ねると、「演じる上で、まさにそれを考えた」とのこと。
「捉えにくさは、チェリーがヘアメイクという職業を選んだことに繋がっていると思っていて。人をありのままの姿から変身させる職業ですから、チェリーは人前に自分自身を見せる時にスイッチを入れるような感覚がある子だと考えました。1話で見せるチェリーは一番それがわかりやすい。本心を見せる前と後の変化の過程を丁寧に意識して演じました」
チェリーの素性が明かされる1話の重要な場面が撮影初日だったことも明かしてくれました。「ご一緒した眞栄田郷敦さん(若手ディレクター・拓朗役)とはその日が初対面でした。それでも、どのシーンも全力で応えるパフォーマンスが求められます。今後、割と独立した撮影シーンが多いです」と、さらに気になる発言も。チェリーの登場シーンは緊迫感を煽るような山場が続々と作られていくそうです。
カンヌを訪れた三浦透子さんと『エルピス』場面写真
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