超高齢化社会に突入し、同時に孤独を感じる高齢者も増え続けている昨今。地域で高齢者をサポートする取り組みはさまざまありますが、ボランティアとして地域住民を支える「民生委員」についてご存知でしょうか。介護にも決して無関係ではない、民生委員という存在。実家が遠方で、なかなか親の様子を見に行けないという方は、「いざという時に頼れる相手」として、民生委員の存在を知っておいて損はありません。今回の相談者・幸恵さんも、母親が長年その民生委員に助けられていたと言います。話を聞いてみましょう。

 


民生委員さんに「助けられている」と言った母


80歳になる母は、要介護2ではあるものの、神奈川県川崎市の実家で一人暮らしをしています。私は地方に引っ越したこともあってなかなか実家に行けませんが、買い物などはホームヘルパーさんに付き添ってもらってこれまで何とかやってきました。

母が川崎の地に住み始めて50年。昔からの知り合いもいますが、最近は工場の跡地にマンションが建ち並び、若いファミリーが増えてきました。外国籍の住民も増え、町内会の活動も以前より参加者が少ないようです。先日電話をしてきた時には、「それでも地域に頼りにしている人がいて、その方のおかげで生き延びているようなものよ」と言っていました。

「近くに住む民生委員の女性が定期的に電話をくれるの。困ったことがあったら相談してねって。でも彼女も70近くになってきて、いい年だからってもうすぐ民生委員を辞めてしまうみたいなのよ。長年頼りにしていただけにやっぱり心細いわ。コロナであなたたちがなかなか実家に帰って来られなかった時にも、彼女にはいろいろ助けられたから……」

さらに母は、「実は最近うつっぽい症状が出ている」と言い出したのです。
 

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母親のうつも阻止してくれた「民生委員」ってこんな人
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