愛之助さんとご一緒できたことは私にとっても映画にとっても良かったこと


――おふたりの関係がとても素敵だったんですが、天海祐希さんや菅野美穂さん、高畑淳子さんといった女性陣の方々と一緒に演じられてここがすごいなとか、ここが怖かったということがあったら教えてください。

 

豊川:怖いところは口が裂けても言えないですよね(笑)。私は幸い天海さん、菅野さん、高畑さんとも何回もお仕事をさせていただいているので、お三方との仕事はとても楽しかったです。どちらかというと男性のキャラクターが多い映画ではありますが、そのなかで女優さんたちはこのストーリーを彩ってくれたというか、作品に入り込んでくれたんじゃないかなと思いますね。天海さんの存在感は出色でしたし、菅野さんも高畑さんも本当に素晴らしかったと思います。

 

冬の京都で交わした、同年代俳優たちとの会話は?


――先ほどの豊川さんのお話の中に、彦次郎役のイメージは愛之助さんだったというお話がありましたが、普段からのおふたりの関係性や、普段のお付き合いでそれぞれの魅力をどう感じていらっしゃっているのかなどをお話いただけますでしょうか?


豊川:実はお仕事でご一緒するのは今回が初めてなんです。でも、プロデューサーや監督から「彦次郎役のイメージはありますか?」と聞かれて、愛之助さんしか思い浮かばなかったのは事実です。それは愛之助さんが持っていらっしゃる“華”が、ほかの歌舞伎俳優さん、映像の俳優さんとはちょっと違う匂いがあるような気がしていて、いつか愛之助さんとご一緒できたらという思いがずっとありました。

いざクランクインしてみると、やっぱり愛之助さんは理想中の理想でした。愛之助さんに引き受けていただけたことは私にとってもこの映画にとっても良かったと思っています。

愛之助:恐縮でございます。「あの豊川さんとご一緒にできるのか」と思うとすごく嬉しかったです。豊川さんは優しいオーラで包まれていて、寡黙でいらっしゃってお茶目な一面もお持ちで。私も癒やされています。現場でもみんなを優しく大きく見守ってくださっている感じです。