冬のおしゃれが大好きというスタイリスト・斉藤くみさん。そして、冬のおしゃれが苦手というエディター松井陽子さん。お二人が冬を楽しく乗り切るためのおしゃれTIPSを考える連載企画。第1回目の「ベルト」に続き、第2回目は、冬の定番アイテム「ニット」がテーマ。よそ行き気分にもなれて、おしゃれがドラマティックになる、そんなニットとは?

松井さん(以下、松井):「ニット=冬」というくらい冬に不可欠なアイテムだけれど、ニットでおしゃれするってあり得るのかな。と、いきなり本題です(笑)。ニットは好きだし、冬に着るのは楽しみなのだけれど、ニットの着こなしって、なんかこう上手に発展できないのよ。くみちゃん、冬のお出かけにもニットを着て行く? 気楽なお食事の席にお呼ばれした時とか。

斉藤さん(以下、斉藤):陽子さん、前回もお話ししたけれど、私は一年中ニットを着ていたいくらい、ニットが大好きなの(笑)。冬は基本、毎日ニットです。会食の機会も減りましたけれど、もちろんニットですよ。表情のある素材を選んだり、色もポイントにしますね。

松井:お出かけ気分になれるニットや、ニットで洒落た風に見せるコツってあるのかしら。シンプルなニットだと、”いつも“から抜け出せなくてお出かけ気分になれないし、以前の今日のコーデにも書いたけれど、結局冬の間中ずっと特別なニットを探している気がするのよね。

斉藤:ニットは着こなし方よりも、やっぱり”選び方”そのものにポイントがあると思うんです。簡単に言うと、ニットはワンセットにするのがおすすめ。デザインの違う、同素材、同色のものをセットとして揃えておくんです。
 

 ITEM2:Knit×Knit 
心地良さ、暖かさに加えて、お出かけ気分も上々。
ニットはズバリ、「ワンセット」で!

=Kumi’s advice= 
“ニットの着こなしをしゃれ見せる、新鮮に見せるためのキーワードは、”ワンセット”。
例えば、クルーネックとカーディガンのツインで、トップスとボトムスのセットアップで、と。セットにすると、装いの完成度が確実に上がるんです。
ニットならではのリラックス感をそのままに着こなしをより強いものにしてくれます。
”艶っぽさ”を足したければ、素肌の分量を調整して。Vニットや、素肌にカーディガンがおすすめ。毛足が遊ぶニットや、表情のあるニットならよりしゃれた雰囲気に仕上げてくれますよ。”


クルーネックのニットにカーディガンを肩掛け。
立体感が加わり、全身バランスがたちまちこじゃれる!

 

ビッグシルエットのニットは、毛足が長く、雰囲気のある1枚。同素材のカーディガンをラフに重ねることで、より一層のインパクトを加味。スカートの深めのスリットから覗くロングブーツとバッグの白をアクセントにして、全身をトーンアップ。
ニット¥36300、カーディガン¥42900/サクラ(インターリブ) スカート¥27500/カオス(カオス表参道) ピアス¥96800/ヒロタカ(ヒロタカ 表参道ヒルズ) ネックレス(2本セット)¥16500/アフェクト(ネイヴ) バッグ¥184800/トッズ(トッズ•ジャパン) ブーツ¥71500/ピッピシック(ベイジュ)

松井:くみちゃん、ワンセットってこういうことね!

斉藤:意外でしょ? クルーネックのニットとカーディガンがワンセット。こういうセット買いって、ある意味贅沢なのですが、これがとっても便利。素材を重ねてアレンジするって、バランスがやっぱりいいんですよ。一枚で着るよりも圧倒的に存在感が強くなりますよね。シンプル過ぎるということにはなりませんし、ぐっとしゃれた雰囲気になるでしょ?

 

松井:間違いない!重ねてできる立体感もいいよね。装いに奥行き感が出てきて、全身のシルエットもよりきれいに見えるし。おしゃれな人になれちゃう!

 

斉藤:首を少し抜いてあげると、後ろ姿に抜け感が出て、ニットなのに艶っぽさが生まれるんです。つい正面ばかりを気にしちゃうけれど、後ろ姿がきれいだと、人の記憶に残るというか、印象もより刻み込まれると思うんです。カーディガンを少し崩すように乗せてあげるだけで、垢抜けた雰囲気になるでしょ? 毛足の遊ぶニットで、こんなアレンジを加えてあげると、ニットの着こなしでもこんなに華やかになるんですよ。

松井:こういうアレンジ、楽しい! 大袈裟でないのに、普段のニットスタイルとは全然違う雰囲気になっているのもうれしいな。デザインとして、どこかに華のあるニットを探していたけれど、クルーネックとカーディガンをツインニットのように重ねるってのは新発想! 早速チェックしてみる!

斉藤:ぜひ! 私は同じデザインのニットをサイズ違いで揃えて、こんなふうに合わせたりもしますよ。「さすがオタクだね」ってよく驚かれるけれどね(笑)。 実際、1枚だけ持っているよりもおしゃれが確実に広がるし、着る機会もより増えるの。

松井:さすがねー! 一年中ニットがいいというくみちゃんらしい。それは、ニット賢者ならではの意見だわ。確かに、それも考え方次第ね。
 

カーディガンとボトムスのセットアップで
ワンピース感覚で着映える!

 
 

斉藤くみさんが新たに手がけるブランド「NAVE」のニットのセットアップ。おしゃれに一家言ある大人の女性にファンの多い「pelleq」とのコラボレーション。ニットならではのリラクシーな着心地、シックでモダンなパープルにも心惹かれて。
カーディガン¥28930、パンツ¥27940、ストール¥26950/全てバイネイヴ、ネックレス(2本セット)¥16500、ブレスレット¥16500/ともにアフェクト(ネイヴ) ピアス¥96800/ヒロタカ(ヒロタカ 表参道ヒルズ) ブーツ¥66000/ピッピシック(ベイジュ) ネックレス、ブレスレット/スタイリスト私物

斉藤:陽子さんにきっと似合うと思っていたけれど、やっぱり、かわいい! カーディガンとニットパンツのセットアップです。

松井:快適で簡単なのに、しゃれてる! みんなが欲しくなるセットアップね。くみちゃんが新たにディレクションをする新ブランドの新作、さすが秀逸ー!

斉藤:うれしい! 「pelleq」というブランドとコラボしたのですが、そのデザイナーである大野京子さん(Instagram:@kyoko518)とは、スキーやスノボに行く仲間同士で。冬の旅にも、もちろんタウンにも映えるものをと作ったんです。気楽だけれど、ラフ過ぎなくて、お食事にも行けるニットがあればいいよねって。これは上下のワンセット。考えなくていいし、上下だと着映え感もありますよね。トップスはタートルネックもあって、一枚でも、カーディガンの下に着ることもできますよ。ストールもお揃いで作りました。私たち目線の”あったらいいな”を全部詰め込んだんです。

松井:カーディガンを素肌に着るというのも、大人にうれしい提案だと思うの。デコルテが見えると、やっぱり女性らしく見えるもの。室内は暖かいし、外に出る時はストール巻けばいいし。これで十分! 最近はクルーネックかタートルネックのニットばかりを選んでいたから、とっても新鮮! パッと目を引いて、これもお出かけ気分にさせてくれるニットよね。

斉藤:アレンジしているようで、合わせるだけで完成しちゃう(笑)。 そんな気楽さも気に入って着てもらえる理由になるかなって。それでなくても寒いし、冬って、おしゃれがちょっと面倒にもなりますよね。寒くなければいい!って。だからこそ、簡単におしゃれが楽しめれば、それだけで気持ちも上向きません?

松井:ニットの暖かさ、ふんわりとした心地よさ、快適さ。色も楽しめるし、冬を素敵な季節にしてくれるまさにマジックアイテムよね。

斉藤:そうなですよ! こんなふうに選び方に少しだけひねりを効かせて、陽子さんも冬ならではのおしゃれをもっと楽しんでくださいね。

 

(右)斉藤くみ●さいとうくみ スタイリスト。20代から50代まで幅広いターゲットの雑誌のスタイリングを手がける傍ら、カタログや女優からの指名も多い。NORC by the lineのディレクションを経て、今年の11月から新たなるブランド「NAVE」を始動。
Instagram:@stylist_kumisaito_

(左)松井陽子●まついようこ エディター&ライターとして、雑誌やカタログなどで活躍中。湘南在住。家族は藍染師の夫と、20代2人、10歳の子と猫。mi-molletで月に2回アップされる「スタッフの今日のコーデ」も人気。
Instagram: @yoko_matsui_0628

 

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カオス表参道 tel. 03-6432-9277
トッズ•ジャパン tel. 0120-102-578
ネイヴ(オンワード樫山) tel. 03-5476-5811
ヒロタカ 表参道ヒルズ tel. 03-3478-1830
ベイジュ tel. 03-6434-0975

撮影/目黒智子
スタイリスト/斉藤くみ
ヘア&メイク/仲嶋洋輔(Perle management)
モデル・構成・文/松井陽子
 

第1回「一点投入で、しゃれ見えも、スタイルアップも!「ベルト」編」」>>