自己受容度を高めることが自己信頼へつながる

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対等に向き合ってコミュニケーションをとるためには、自己信頼が大切だとお伝えしましたが、これは「自己受容」ができてこそ、自分を信頼する力が生まれます。

 

自己受容とは、自分のよいところ、できていることがわかり、さらに、欠点や苦手なこと、能力的にできていないことも自分自身の一部だと受け入れることができることを指します。

自分を認めることができないと、相手を真に認めることはできません。非主張的な自己表現をしているとき、自己受容度が低いことは容易に想像できるかと思います。でもじつは、攻撃的な自己表現をしているときも、威圧的で一見強そうに見えたとしても、自分の弱さを防御するための攻撃であることが多いのです。

自分の意見や考えに反対されたり、「それは違う」と言われたりすると、自分を認めてもらえていないような気持ちになる。また、相手よりも劣っていることは認めたくないという気持ちから、相手の優位に立とうと攻撃的な表現をする。自己受容できていない人にはこういった傾向があるのですが、他者にマウンティングをする人も、これに当てはまります。

たとえ意見が違って相手からNOと言われても、自分自身が否定されているわけではありません。人は、誰でも不完全なところがあります。できないこと、間違うこと、失敗もあります。でも、だからといって人としての価値が下がるわけではないのです。相互信頼を土台にした対等なコミュニケーションをとるためにも、自分のよいところ、できていることはもちろん、不完全さをも認める勇気が大切です。