2023年にさらなる飛躍が期待される俳優5人を、ライターの須永貴子さんが若手中心に選出。数多いる俳優の中でも彼らが特別な光を放ち、数々の作品で求められる理由は何なのか。これまでのキャリア、今年公開・放送が控えている待機作と合わせて解説します!

日向 亘(ひゅうが・わたる)
 


2023年1〜3月クールのTBS日曜劇場『Get Ready!』で、主人公(妻夫木聡)が率いる闇の最強医療チームの最年少メンバー・白瀬剛人(通称:スペード)役に抜擢された18歳。天才ハッカー役を、気負いすぎずキャラ付けもしすぎず、等身大の10代として演じているところに大物の片鱗を感じます。

 

日向さんは14歳のときに、ホリプロが主催したオーディションでグランプリを受賞後、映画『太陽は動かない』で主人公(藤原竜也)の幼少期を演じて俳優デビュー。天涯孤独の少年役を野性味と繊細さを兼ね備えた佇まいで体現し、高いポテンシャルをアピールしました。その後、スターへの登竜門である「仮面ライダーリバイス」に主人公の弟であり仮面ライダーライブでもある五十嵐大二役で出演中に、高校を卒業。今回の「Get Ready!」への出演は、いよいよお茶の間へのお披露目のときがやってきたという印象です。


主人公の妻夫木さんも、そのパートナー的存在の藤原竜也さんも、数々の主演作品を持つ事務所の先輩。この2人と常に行動をともにする白瀬役を与えられたということは、日向さんにとってこのドラマは主演俳優とはなんたるかを学ぶ場所。業界的な視点ではありますが、事務所が彼に寄せる期待の大きさを感じずにはいられません。たしかに、183cmの長身痩躯で無骨さと甘さを兼ね備えた風貌は、ジャンルも役柄もなんでも来いの大大大逸材だからこそ、良い作品との出逢いを切に願います。