「思い込み」という柵を超えて


夫の言葉は大いなる衝撃だったと三橋さんは語ります。

「フライトで家を空けることで、ものすごく迷惑をかけていると思い、ずっと罪悪感がありました。でも夫も、寂しい思いをさせているはずの子どもたちも、私がいないならいないで楽しんでいる部分もあるようでした。母が不在ならではの成長もあったのです。結婚当初はあまり家事ができなかった夫は、いつの間にか家事育児の能力がすごくスキルアップしていたのです」

この時「家族はチーム。誰かの犠牲の上に成り立つべきではなく、お互いに助け合うことができるし、母がずっと家にいるだけがいいとも限らない」と気づいたといいます。

また、副業やリスキリングを考えたとき、常に頭の片隅にはフィンランドの考え方やイメージがあったそう。スキルアップの必要を感じたらいつでも学べばいいという考え方は、大いなる支えとなっていました。改めて、CAを辞めて大好きな国であるフィンランドとのつながりを失くしたくないとも感じたそうです。

そこからじっくり考え、相談した結果、2021年10月に三橋さんはCAとして復帰します。

仕事で多忙な母親は“家族に迷惑”...?窮地で気づいた「自分を縛る思い込み」とは_img1

 

「第一子出産後の復帰時は罪悪感を抱えながらフライトに行っていました。でも第二子の時には『ありがとう! 行ってくるね!』と感謝の気持ちで出勤できるように。WEBデザイナーとして働くことと、CAとして働くことは、どちらも私にとって必要なものでした。『副業』ではなく『複業(パラレルワーク)』だと思っています。紆余曲折ありましたが、打ち込める仕事に出会えたのも続けられるのも、家族のおかげです」

 

ついに理想の働き方を見つけたかに見えた三橋さん。ところが一筋縄でいかないのが人生。次は、揺るがないと思っていた家庭のバックアップ態勢に変化が起こります。

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「子どもが生まれたらCAを引退しなくてはと思いこんでいたけれど……」2児の母がゼロからプロへ!
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