夫の転機、そして家族の転機


「夫に、コロナ禍で宙ぶらりんになってしまった『海外で働く』チャンスがやってきたのです。職場のシステムで、彼にとっては千載一遇の機会。これまでずっと私の働き方を応援してくれた夫。ぜひ行って夢を叶えて欲しいと思いました。

一方で、大好きであることを再確認したCAの仕事ですが今度こそワンオペ子育てをしながら海外へのフライトは難しそう。万事休す、と思ったとき、東北に住む兄や弟妹が『何かできることあれば手伝うよ』と……。正直に言って、大人になってそんな風に頼るなんて考えたことがありませんでした。皆それぞれの人生があるんだから、と。」

さらに思いがけない救いの手が。「ママ友」のみなさんが、ちょっとした時間は子どもたちを預かるよ、送迎を助けるよ、と声をかけてくれたというのです。三橋さんは、その気持ちに感激し、そしてシッターさんなどもお願いしながらできるところまでやってみようと腹を括りました。

仕事で多忙な母親は“家族に迷惑”...?窮地で気づいた「自分を縛る思い込み」とは_img2

WEBデザインスクールでトレーナーとしても活躍する三橋さん。

フライト数がさほど多くない航空会社だったことも幸いし、なんとこの1年間、ワンオペで家庭とCA、WEBデザイナーにスクールのトレーナーというパラレルワークを続けてきました。多忙、という言葉を超越して、無我夢中の1年間。ときにはうまくいかず、落ち込むことも、悔しいこともあったことと思います。しかし三橋さんの言葉に、焦りや悲壮感は感じられません。

 

「なりたい自分になる、って一口に言うけれど、状況や環境は刻々と変化しますし、家族のこともあって予測することは難しいですよね。予想外のことが起きたとき、この方法しかない、って思いこんでしまうと行きたい方向に舵を切るのは難しい。私の場合は、絶対に自分で解決しなくては、という思い込みを捨てて、周囲に相談することで人生が変化しました。うまくいくとは限りません。でも、一歩を踏み出して、ダメだったときはまた軌道修正をする。そんな心持ちが、今の時代に必要なのかなと感じています」

三橋さんのパラキャリアライフはこれからも続きます。WEBデザイナーとしてもっと大型のお仕事にも挑戦したいとのこと。二足どころかたくさんの「わらじ」を引き寄せた彼女のエピソードが、これからの働き方、仕事の選び方、家庭の在り方を考える方のヒントになれば幸いです。

キャビンアテンダント
WEBデザイナー
デジタルハリウッド STUDIO千葉トレーナー
三橋 由美さん Yumi Mitsuhashi
岩手県出身。大学卒業後、ヨーロッパの航空会社にCAとして入社。現在も北欧系航空会社でCAとして乗務。コロナ禍で二人目の育児休業が延長されるなか、デジタルハリウッドSTUDIOの「Webデザイナー専攻 主婦・ママ専用クラス」で学び、Webデザイナーのスキルを習得。現在はCAとWebデザイナー、そしてデジタルハリウッドSTUDIOのトレーナーとしてパラキャリアを築いている。

▶Instagram:https://www.instagram.com/aurinko103/
▶HP:https://aurinko-web.jp/

「子どもが生まれたらCAを引退しなくてはと思いこんでいたけれど……」2児の母がゼロからプロへ!
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取材・文/佐野倫子
構成/山本理沙

 

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