「スーパーに買い物に行くだけで、遊園地に行ったくらいの気持ち」

 

そんなに通路が広くないアパレルショップや雑貨店などに子連れの方がいると、確かにベビーカーが一瞬道を塞いだりすることもあります。でも、子育て期間ってすごく長い。未就学期間だけでも6年とかあるんです。命がけの出産を終えても、すぐに慢性的な睡眠不足との戦い。まともに外出する機会がないという方も多いです。

筆者が子育て問題に関心を持つようになったのは、大学での子育て体験(子育て中のお母さんと赤ちゃんとふれあい、話を聞く、実際に子育ての一部を体験する)がきっかけだったのですが、そこで出会ったお母さんの言葉が今でも忘れられません。

それは「スーパーに買い物に行くだけで、遊園地に行ったくらいの気持ち。それくらい外出が難しいんです」というもの。ベビーカーがあると、広くない店に入ることを躊躇してしまったり、あまり子どもがいない店には周囲の目もあり行けない、という声もよく聞きます。

だから、外出先の店内で子連れに会うと、「もしかしたら久しぶりの外出かもしれないんだよな……」と筆者は思うんですよね。通路が狭いなら譲り合えばいいだけ。子連れだからと我慢してほしくない、どこへでも行けるようになってほしい、申し訳ないなんて思わないでほしいと強く思います。

 

スマホを見れば文句を言われ、マタニティマークは無視

 

スマホだって、目的地への行き方を検索したり、メールを返してるのかもしれませんし、子どもは飽きるとぐずってしまうので、動画や画像を見せる必要だってあります。そもそもスマホを見てなんの問題があるんでしょう。本当に子連れへの目線が厳しすぎてうんざりします。「一生懸命あやしてるならいい」みたいなジャッジ、何様なんでしょうか。

さらに、本気で許せないのが「電車で妊婦に席譲らない人多すぎ問題」。
「マタニティマークをつけていても、誰も譲ってくれなかった」
これ、めちゃくちゃよく聞く話。

もうどんな地獄だよ!!! と言いたくなります。お腹が出ていない時は安定期に入っていないこともあります。言わずもがな流産の可能性が高い時期です。そしてお腹が出てからは、体がとても重い。お腹が張るとよくないとも言われていて、張り止めの薬を服用する人もいます。切迫早産にでもなれば、1ヵ月間ベッドの上で安静にしなければなりません。

収入面や職場の状況によってギリギリまで産休をとれず、働く人もいます。妊娠期間は、とてつもなく身体に気を遣うし、いろんなリスクもあります。電車に乗っている時は仕事で疲れていたりもしますが、妊婦さんが立っていたら気づける余裕は持ち合わせていたいものです。