Webデザイン、FP、占い師…保育士の経験からつくる10個の「かけ算」


ここからは資格ソムリエの林雄次さんに、保育士のスキルや経験を生かした「かけ算」を考えていただきます。

<プロフィール>
林雄次(はやし・ゆうじ)
資格ソムリエ®

自身の知識欲から在学中より資格取得に励む。大学卒業後は大手企業にてITエンジニアに。在職中に取得した社労士資格をもとに、エンジニア経験をかけ合わせることで、IT社労士として独立。現在では中小企業診断士など300を超える保有資格を活かし、資格の活かし方やブランディングについてアドバイスを行う『資格ソムリエ』として活動中。Webメディアで資格に関する記事を連載中のほか、ビジネス誌などでも多数取材を受けており、ライフキャリアに沿った資格取得のアドバイスは好評。最近取得した資格は美術検定4級。


子どもや保護者と向き合う中で育まれた保育士のスキルや経験は、非常に有益なものばかり。「保育」という限られた分野だけに絞るのはもったいないです。

ベビーシッター、保育ママ、学童保育、幼児教室の先生など保育士資格を活かした展開もありますが、「キャリアパスを考えるドリル」として、今回はあえて子ども相手の職業ではないものを考えてみました。

ご用意したのは、対人支援などこれまでの仕事内容の延長線上で活かせるかけ合わせから、ちょっと意外なかけ合わせまで、9個の「かけ算」です。これらのかけ算を見ていくことで、逆に保育士という仕事で得られる経験やスキル、魅力や特徴が見つかるかもしれません。

 

<かけ算1>
保育士×EC=手作りグッズやおもちゃの販売や講座開催

写真:Shutterstock

まず、保育士のスキルとして思い浮かぶもののひとつが「モノづくり」のスキル。特に、子どもが喜ぶものを熟知しているのがポイントです。また、便利なものなど保護者の立場で役に立つモノづくりのアイデアもあるのではないでしょうか。それを活かせば、子ども向けの通園グッズや手作りの知育おもちゃなど、オリジナリティがある物づくりができます。

作ったものは、外部に販売することが可能です。最近は個人でも簡単にネットショップが作れるプラットフォームも増えていますので、取り組みやすい環境が整っているのもオススメできるポイント。うまく販売していくには一定のECスキルが必要ですが、ユーザーの目をひく分かりやすく情報発信も保育士さんなら楽しく取り組めそうです。

なお、新しいものを考えて作っていくことで、制作のアイデアやメニューが増えていくというのもメリット。保育の仕事でも幅が広がることになります。また、販売ではなく作り方を教えるオンライン講座の「講師」になるとしても、保育士のスキルが活かせますね。

<かけ算2>
保育士×キャリアコンサルタント=子育てと仕事に関する課題を熟知したキャリコン

写真:Shutterstock

子育てと仕事の両立における課題を熟知していることも、保育士の大きなポイント。知識としてはもちろん、日々の仕事の中で様々な親に接する経験もしていて、これは他の仕事には中々見られない特徴です。

ここに、仕事や生活の悩みに対応するキャリアコンサルタントのスキルが加わると、頼れる相談相手になれそう。既にやっていることなのかもしれませんが、保護者の気持ちに寄り添って話をする場面は、キャリアコンサルタントが傾聴している相談場面そのものとも言えます。

さらに、キャリアコンサルタントとして一定の経験を積んでいくことで、保育士向けに特化したキャリア相談を行うことも可能になるでしょう。保育所民営化の環境下での不安や、待遇が良くならないといった、保育士特有の悩みに親身に寄り添えるキャリアコンサルタントとして、活躍できそうです。

<かけ算3>
保育士×FP=家計のお悩みの相談に乗れる、FP保育士!

写真:Shutterstock

コミュニケーション能力を活用して相談に乗るということでは、FP(ファイナンシャル・プランナー)も向いていると言えます。さらに、必要な知識をアップデートしていくスキルも役に立ちます。

誰でも関心があるお金の知識を学ぶことで、自分自身に役立つことはもちろん、子育て世代をたくさん知っているからこそ、各家庭に合った資産形成のアドバイスがしやすいかもしれません。フリーランスのベビーシッター&FP、保育園での保育補助として働きつつ、余裕のあるときにFPとして活動するといった自由度が高い働き方も可能になると思います。