――私の初恋は冴羽獠だった。いつもは美女に対してスケベ丸出しのもっこり大将なのに、スイーパーとして行動している時に見せるクールな顔、そして超絶狙撃で依頼人を敵から完璧に守り抜く姿がとんでもなくカッコいい。というか、普段の美女にデレデレしている姿も決してマイナスではなく、むしろ三枚目の魅力に溢れていて最高! つまり彼の全てが大好き!! ……と、“冴羽獠への想い”が止まらないミモレ世代の方はいらっしゃいませんか? そんなあなたにぜひ読んでほしい、夢のような作品があるんです。
冴羽獠に恋焦がれて気づけば40歳に
あなたが冴羽獠と出会ったときのことを覚えていますか? ある日TVを見ていたらアニメが流れてきて彼を知った、友達から布教された……などなど、人の数だけ出会いのエピソードがあるかと思います。その中でも、『今日からCITY HUNTER』の主人公・青山香のように“小さい頃に兄の部屋で何気無く手に取った”という方も多いのではないでしょうか。
冴羽獠に憧れて新宿へ遊びに行き、今は無くなってしまいましたが新宿駅東口の伝言板に「XYZ」と書き込んでみたり。もしかしたら本当にいるかもしれない……と『シティーハンター』の世界、そして冴羽獠に恋焦がれたあの時代。
香はそのままオタク道をひた走り一時は漫画家を志すものの、現在では夢を諦め派遣社員として働いています。気づけば40歳を迎えた彼女は、(分かってはいたけれど)憧れの『シティーハンター』とは程遠い現実に打ちひしがれる毎日。
そんなある日、香は駅で人とぶつかったはずみで線路に落ちてしまい絶体絶命のピンチに……! 死ぬかもしれないと思った瞬間、彼女が脳裏に思い浮かべるのはやっぱり冴羽獠でした。
大好きな『シティーハンター』の世界に転生!?
――目を覚ますと冴羽獠が私を抱き抱えて……なんてことはなく。むしろもっとびっくり! 香は高校時代にタイムスリップしていたのです。
こうして奇跡的に一命を取り留めた香。ですが、見慣れぬ昔の新宿の街並み、そして頼れる人がいないという現実は彼女の中の不安や孤独感を徐々に募らせていきます。
誰か助けて……! と窮地に追い込まれた香が取った手段。それは『シティーハンター』ファンならお馴染み、あの合言葉です。
すると……。
獠だー!!!!!! 読んでいて思わず叫びたくなるこの展開。
そう、実は香はタイムリープしたのではなく大好きな『シティーハンター』の世界に転生してしまったのです。
冴羽獠の隣で人気エピソードの数々を追体験!
「本当は18歳未満はお断りなんだがな〜」と言いつつ、女子高生の香にも親身に接する冴羽獠(最高)。さすがに本当の事情を話すことはできない香は、こうして憧れだった『シティハンター』の世界で、獠や槇村香の助手として一緒に行動を共にすることになるのです。
数ある転生系漫画の中でもこんなにも「羨ましい!」と思ったことはあっただろか。設定だけでも大優勝な本作ですが、もっと凄いのはここからです。
“青山香”という原作には存在しないキャラクターの介入によって、オリジナルストーリーが描かれてもおかしくない展開ですが、『今日からCITY HUNTER』はあくまでも原作遵守。正確には、原作の中でも特に人気の高いエピソードが登場し、それを香の目線で私たち読者が楽しむ……といった構図です。
つまり、香は『シティーハンター』の世界や物語を好き勝手に改編することは決してしないのです。「これは、漫画で見たあのシーン! 間近で見れるなんて!」と、オタク心を全開にしながらも、ぐいぐいと前に出ることはなく冴羽獠の隣でその物語を見守るのです。(なんなら物語がよりスムーズに進むようにサポートすらしてしまう、オタクの鑑)
そんな彼女を見ていると、私たちも香と一緒に冴羽獠の隣で『シティーハンター』の世界を追体験しているような気分になれるのです。
今年の秋には劇場版最新作となる「シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」が公開予定。“冴羽獠”がスクリーンに舞い戻ってくる前に、ぜひ『今日からCITY HUNTER』で気持ちを高めましょう!
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<作品紹介>
『今日からCITY HUNTER』
錦ソクラ (著)
(参考書)「CITY HUNTER」北条司
青山香、40歳、独身。高校生の頃に出会った『シティーハンター』の冴羽獠に夢中な彼女は、ある日電車に轢かれてしまった……と思いきや、目を覚ました彼女はなぜか高校生の姿に。見慣れぬ風景に戸惑う彼女に前に現れたのは、『シティーハンター』冴羽獠と槇村香だった!
<作者プロフィール>
錦ソクラ
漫画家。代表作に『侍父』『3年B組一八先生』など。月刊コミックゼノン(コアミックス)にて『今日からCITY HUNTER』(既刊12巻)と『北斗の拳外伝 天才アミバの異世界覇王伝説』(既刊3巻)大好評連載中。
twitter:@sokra
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