長かったマスク生活。マスク着用は場所やシーンに応じてでOK、という状況になった今、もやもやと気になっているのがアレです。そう、「口臭」です! マスクをつけていれば、他人に迷惑をかけることはほとんどありませんでしたが、マスクを外した途端「自分の口は本当に大丈夫か!?」と不安になり、コロナ前より頻繁にマウススプレーを使っている気がする筆者。40代は歯周病が増える年代でもあるため、余計に心配が募ります。

歯科医の照山裕子さんの著書『“食べる力”を落とさない!新しい「歯」のトリセツ』は、口腔ケアについてやさしく丁寧に教えてくれる一冊ですが、「口臭」にスポットを当てた内容も充実! そこで今回は、「私の口、臭ってない?」と心配な方へ、本書から特別に一部抜粋してご紹介します。

写真:Shutterstock


マスクがあるからと油断しがち? 口臭の一番の原因は「歯周病」


マスク生活になってから、口臭について油断している方も多いかもしれません。
口臭とは「口あるいは鼻を通して出てくる気体のうち、社会的容認限度を超える悪臭」と定義されています。どの程度が容認されるのかというのはわかりにくいかもしれませんが、要はにおいの質と強度の問題だとされています。

人間はにおいに慣れてしまう「嗅覚疲労」という生体反応を持っているため、鼻の周囲で常に発生している悪臭にはすぐに順応してしまいます。こうした“能力”ゆえに、強い口臭を放っていても自分自身が最も気づかないという傾向があります。

 

自分の口が臭っているかどうかを調べる簡易的な方法があります。まず、

① 1分間口を閉じて鼻で呼吸をし、
② その後、ビニール袋の中にゆっくり息を吐いて入口を留め、
③ 少し時間を空けてから、ゆっくりと袋を開け、匂いを嗅ぐ――

という方法です。どきどきしますね、どうだったでしょうか。

口臭には、三つの種類があります。
一つめが、起床時や空腹時に生じる「生理的口臭」です。二つめに、ニンニクやニラといった食品、飲酒や喫煙などで生じる「外因的口臭」。これは一過性のものです。この二つについては、歯をみがく、洗口液を使うなど、セルフケアで対処できるはずです。

そして、三つめに最も多いのが、歯周病による「病的口臭」です。口臭は、歯周病のほか舌苔(舌の汚れ)からくる「病的口臭」が最も多く、専門家の力を借りることが解決につながる近道です。

歯周病はサイレントディジーズ=沈黙の病と呼ばれ、痛みなどの自覚症状が乏しいことが特徴ですが、においまでも無自覚になってしまいがちなので用心してください。

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