「ラブストーリーと悪役では“眼差し”も変えて演じます」ソ・イングクさんインタビュー_img0
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「これは、本当にソ・イングクさん……?」

俳優は時に、スクリーンに映る役を演じているのが誰なのかわからないぐらい、大きな変貌を遂げる時があります。映画『オオカミ狩り』のソ・イングクさんも、そんな一人です。“キス職人”の異名を取った「応答せよ1997」でのドラマ初主演以来、「ショッピング王ルイ」「空から降る一億の星」など切ないラブストーリーに定評があるソ・イングクさんが、ガラリ一転。『オオカミ狩り』では海に浮かぶ監獄で反乱を主導する極悪非道な犯罪者役に扮しています。どん底の人生を演じるすごみある眼差しには、セクシーなオーラも。ソ・イングクさんにインタビュー。大胆イメージチェンジの裏側を聞きました。

 

ラブストーリーの時は、愛をこめて一瞬も逃さず目に焼き付けておきたいという感情で見つめる


――監督が「ソ・イングクさんの男性的なセクシーさが、ジョンドゥ役にぴったりだと思った」とキャスティングの理由を話しています。ご自身のセクシーなポイントはどこにあると思いますか。それを本作でどのように生かしたのでしょうか。

セクシーという単語が好きなほうではあるのですが、どこがセクシーなのか、よくわかりません(笑)。ジョンドゥを演じる際には、眼差しを研究しました。タトゥー、メイク、表情、すこし伸ばした髪型……こうした点も意識しましたが、眼差しで表現しようと努力して、観る人にセクシーさや怖さを感じさせることができて、すごくうれしいです。

――ソ・イングクさんの目は、デビュー当時から印象的だと思っていました。ところが、韓国のインタビューでは、「ずっと三白眼がコンプレックスだった」と語っていたのが意外でした。本作では、目の演技をする際にカメラが下から撮っている感じもしました。

監督が「ジョンドゥは、話し方や態度が軽々しい感じでありながら、相手を刺すような人物」と望んでいました。人を人間と思わずおもちゃのように見ることを意識しながら演じたら、上から目線になりました。自然にそういう風になったのだと思います。

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ソ・イングク SEO IN GUK
1987年10月23日生まれ。2009年、Mnetの歌唱コンテスト「SUPER STAR K」に出場し72万人の頂点に立つ。2010年、ミニアルバム「Just Beginning」で正式デビュー。2012年、ドラマ「ラブレイン」で俳優デビュー。同年 「応答せよ1997」で初主演を果たす。その後、俳優だけでなく、歌手活動も精力的にこなす。
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――ラブストーリーを演じる時の目と、本作を演じたときの「目づくり」の違いとは。

すごく違いますよね。ラブストーリーの時はジョンドゥのように人をおもちゃ扱いしないので(笑)。「あの人を破壊してやる」とにらむのがジョンドゥで、ラブストーリーの時は、愛をこめて一瞬も逃さず目に焼き付けておきたいという感情で見つめるので、まったく違います(笑)。

――普段の目つきはどちらに近いのでしょうか。

ジョンドゥの目つきではないですね(笑)。僕は冗談をよく言ったりするので、いたずらっぽい目だとよく言われます。

――以前から悪役に挑戦してみたかったと伺いました。どのような点に惹かれてこのオファーを受けられたんでしょうか?

今まで見たことのないジャンル、そしてまた見たことのないキャラクターに魅力を感じて出演を決めました。

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予測できないストーリーで、特に後半どうなるのか、どんどん気になっていったんですね。それも非常に大きな魅力でした。そしてジョンドゥはもう序盤から非常に強烈な姿を見せてくれたところも惹かれました。

――おっしゃる通り、前半と後半ではかなり内容が変わり、ジョンドゥは鍵となる役割を果たします。

 実はその点に魅力を感じました。キャラクターが壊れていく姿を見せたいと思ったんです。観てくださる方は、「おそらくソ・イングクが出るんだったら何かするだろうな」って期待してくださるはず。それを壊すというか裏切るというか。そこがまた面白そうだと思い魅力に感じました。

 ――後半に出てくる怪人よりも前半に登場するジョンドゥのほうが残酷で怖い印象でした。全体のストーリーの流れについて、どう思いましたか。

全体的に絶望的な世界観を観客に見せたいという意図がある台本で、監督はその点を表現したかったのだと思います。話の流れに沿ってどんどん恐怖が増していきますよね。悪役が次々と登場する絶望的な雰囲気のなかで、生き残りをかけて本当に必死にあがく壮絶な姿をどんなふうに表現したらいいのか、考えながら演じました。


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