“クレイジーな”人たちから「英語で」学ぶ短期留学


せっかく、60万円も払って短期留学するなら、実のあるものでなければもったいない。そう考えて、タクトピアという企業と提携してMITの起業家精神養成プログラムを日本の高校生向けにカスタマイズし、夏休みに生徒をボストンへ派遣することにしました。英会話の訓練ではなく、英語で起業家精神(アントレプレナーシップ)を学び、自分なりのビジネスプランを考えるプログラムです。つまり、大切なことは、「英語を」学ぶことではなく「英語で」学ぶこと。英語が話せるようになることではなくて、グローバルな人間になることです。またアントレプレナーシップはなにも起業家になれというのではありません。社会の当事者として問題解決に取り組むのです。その手助けとなるのが実のある短期留学です。

厳しいプログラムでした。午前中は一流の起業家の講演を聞いて、午後はワークショップ。夕食後は課題に取り組みます。2日目からは、朝一番に、前日に学んだこと考えたことを30秒間で発表するピッチが課せられるので、その準備です。ピッチとは短時間で行うプレゼンテーション(プレゼン)のことです。プレゼンを聞くのは講師ですからもちろん英語です。

 

ボストンへのプログラムの行程

 

2週間休みなしでそれをくり返すのです。初年度の参加者は28人。みんな最初は「頭がパンクする」と泣きごとをいっていましたが、帰国するときには全員が目を輝かせていました。

午前中の講演は、若くて面白い起業家に話してもらいました。3Dプリンターを開発した人や、動力とCPUを内蔵したレゴでプログラミングして簡単なロボットをつくるレゴマインドストームの開発者もいました。ホームスクーリングだけで高校を卒業し、ハーバード大学に入った人もいました。彼はホームスクーリング用の教育ソフトをつくっていました。ボストンで起業している、そんな“クレイジーな”人たちの話を聞くことこそが、このプログラム最大のミソです。彼らのパッションやパーパス、熱い思いに触れること、日本では恥ずかしいとされがちですが、世界を変えたいという思いを本気でもっている人の話を聞くことで、生徒たちの世界観は大きく変わったはずです。そこではどんなことでも質問することができ、そして与えられた課題に取り組み、それに対するアドバイスを聞くこともできます。しかも、すべて英語です。英会話スクールより、短期間で英語力はアップします。