全てがお膳立てされた結婚


「彼のお義母さんが『結婚式は修が40になるまでの大安に挙げたいの。この日で仮決めして予約をしましょう。結納は、都内の懇意にしているホテルにすでに頼んだからご両親にお伝えしてね』と。

驚いて彼を見ると、そのまま彼の実家の海が見えるバルコニーに連れていかれ、オーダーしたという1カラットの婚約指輪を持ってきて『僕と結婚してください』と跪いてプロポーズをされました」

お話を伺っていると、正直に申し上げて妙に展開が早く、裏がありそうなご家族とご主人だなと感じます。しかし当時の由真さんは驚きつつも嬉しい気持ちが湧いてきて、状況を受け入れたそう。年齢も23歳とお若く、交際経験もなかったため、判断が難しかったのでしょうか。

このように、どちらかが圧倒的に年上であったり、社会的立場が上であったりする場合や、職場で上司と部下のような関係でスタートした場合、夫婦関係にそれが持ち込まれてバイアスがかかってしまうことがあります。

 

力のあるほうが、その立場や経済力、なによりもある種の意図やテクニックを持ってして対峙してきた場合、言い方は悪いですが「目くらまし」のような状態になり、気が付いたら「はい」と返事をしてしまう……。数々の問題を抱えたご夫婦を取材してきて、このパターンはよくお聞きしました。

 

この時点で気がつく方法はないものでしょうか?

「正直に言って、難しかったと思います。彼の本性は、1年お付き合いしても、未熟だった私には見抜けなかった気がします。仕事中は厳しいけれど、2人きりだと甘い、年上の彼氏というフォーマットにハマってしまいました。運命の恋だ、って思ってしまった」

しかしさすがは年の功。由真さんの親御さんだけは、黄色信号を出したのです。