立ち直る人の傾向2:「裏切った相手の弱さ」を理解した


裏切られた側の人は気づきにくいことではありますが、よほどサイコパス気質でない限り、多くの人は「人を傷つけたい」「悪人になりたい」とは考えていません。
どんな人でも、「できることなら、自分は素敵な人でありたい」と思っているものです。自分が残念な人間でいると、自己嫌悪で苦しくなってきますしね。

だから、たとえ人を裏切る形になってしまったのだとしても、「相手を傷つけること」を目的に行ったわけではなく、その人にはそうする手段しかもっていなくて、「結果的に裏切ることになってしまった」パターンが多いのです。つまり、“心弱き人”なのです。

たとえば、浮気にしても、欲望に負けてしまったから(=理性が弱くて、我慢をするのが苦しくて)してしまうことが多いもの。夫婦関係がうまくいっているなら尚更、わざわざ「パートナーを苦しめたいから、浮気しよう!」と考える人は、まずいません。
むしろパートナーのことは大切にしていたいけど、自分の欲望を抑えられなかったパターンである可能性は高いでしょう。

でも、浮気されたほうは、「“私(僕)を傷つける行為”をパートナーにされた。私(僕)のことを大切にしてくれていない!」といった被害者意識が強くなりがち。
だから、「傷つけたいわけではなかった浮気者」と「どうして私(僕)を傷つけるようなことをしたのかと詰め寄るパートナー」とでは、話し合いがすれ違ってしまうことが多いのです。

ビジネスにおいても同様です。基本、裏切る人は、視野が狭く、自己中心的な性格で、社会的地位、権力、お金などを人一倍求めていることが多いもの。
だから、「相手を憎い」から裏切るのではなく、単に「自分の欲望に負けてしまっている」ことが少なくないのです。

 

心弱き人が持っている選択肢は、少ない


心が強い人は、理性的で色々な選択肢を持っていることが多く、基本的には人を犠牲にしない形で自分が幸せになる方法を選びます。
でも、心弱き人は、そういう選択肢(能力)を持っていません。だから、自分の幸せのために人を裏切ってしまうことが多いのです。

さらに言うと、人を裏切って幸せになろうとする人は、たとえ一時的に幸福を得られたとしても、その幸せが長続きしないことは少なくありません。
それは、その人が特定の人に対してだけでなく、誰に対しても裏切るような行為をしてしまうことが多いからです。
つまり、その人は「(人を不幸にしたいと思っているわけではないけど)残念な手段しかもっていない、能力の低い人物」に過ぎないのです。

先ほどの「同じ土俵に乗らない」ことにもつながりますが、結局、裏切られた側は、「こんな卑怯で弱い人だったんだ? もう呆れて怒る気すらなれない」といって、距離を空けるケースが少なくありません。
それは、その憎き裏切り者は、「私(僕)を傷つけた“最強の敵”」ではなく、単に「人を犠牲にしないと幸せになれない“心弱き卑怯者”」だと気づくからです。大人が小学生相手に本気で怒らないのと同じことです。
また、「相手が自分を傷つけるつもりでやったわけではない(結果的に、傷つけてしまっただけ)」というのを理解することで、自分のプライドが保たれ、怒りがおさまる人も少なくないでしょう。

次に紹介することは、「恨み続ける人とそうでない人の、大きな違い」といっても過言ではありません。次のページに続きます。