5月6日、ウェストミンスター寺院で行われたチャールズ国王の戴冠式。もちろんこの日の主役はチャールズ3世でしたが、その裏でまたも人々の視線はアン王女にも集まりました。

振り返れば、昨年9月のエリザベス女王の国葬。このとき軍服に身をつつみ、凛々しく棺のうしろを行進される王女の姿に注目が集まりました。エリザベス女王の第二子で、長女として誕生するも、王位継承順位は現在16位。にもかかわらず、兄チャールズ国王とならび、年間で最も多くの公務をこなす御歳72歳のハードワーカー。

エリザベス女王が最も信頼をおき、真面目で誠実さが似ているとも言われている娘、アン王女。
偉大なる母が逝去、そしてついに戴冠の日を迎えた兄の記念すべき日の、アン王女の1日にフォーカスしました。終始、王女らしくブレない姿勢が、やはりアン王女! でした。

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ウェストミンスター寺院に到着。マントを着用

2023年5月6日、ウェストミンスター寺院に到着。写真:代表撮影/ロイター/アフロ

代々戴冠式が行われる、ウェストミンスター寺院に到着されたアン王女の装いは、ブルーズ・アンド・ロイヤルズ連隊(王立海兵隊)将校の礼服と、ロイヤル騎士団のコマンダー(連隊長・司令官)としてのマントを羽織られた、ミリタリースタイルでした。

今回のチャールズ国王の戴冠式でのドレスコードは、歴代のものよりモダン(ややカジュアル)にアレンジされました。よって伝統的な“ロングドレス+ティアラ”スタイルではなく、昨年のエリザベス女王の国葬時と同様、アン王女は連隊の礼服をお召しに。戴冠式中この礼装が、兄の護衛というお立場を象徴しているようにも感じられました。

公務に従事する高位メンバーとして、2列目に着席

2023年5月6日、ウェストミンスター寺院にて。写真:代表撮影/ロイター/アフロ

戴冠式直前まで、ハリー王子の席がどこになるのか? と話題になリましたが、結果はアン王女の後ろでした。カメラの位置によっては、王女の帽子のフェザーが王子の顔を隠しているといった穿った見方をする記事もありましたが、あくまでもこれは礼装。女性の正装小物、お帽子と同じですね。
アン王女が席に到着されると、ハリー王子は笑顔を見せられるシーンもあり、アン王女の存在は、不仲と言われるサセックス公爵家とその他ロイヤルファミリーの中でも、やはり冷静・中立のお立場であるようです。

アン王女の座席位置としては、王位継承順位第1位&2位の皇太子ご一家(空席の最前列左側)と、その次に高位な公務従事メンバーであるエディンバラ公爵ご夫妻のうしろと、チャールズ国王時代の主要メンバーとしての妥当な席だったといえるでしょう。

戴冠式後のパレードで、国王ご夫妻の馬車の後ろで騎馬

2023年5月6日、戴冠式後の馬車パレードに。写真:代表撮影/ロイター/アフロ

戴冠式後、マントを脱ぎ、ブルーズ・アンド・ロイヤルズ連隊の礼服姿で、バッキンガムパレスまでの馬車パレード中、国王ご夫妻がお乗りになっていたゴールド・ステート・コーチのすぐ後ろで騎乗しついていらしたアン王女。   

ロイヤル騎士団のコマンダー(連隊長・司令官)として、左手にゴールド・スティックを持ち、近衛連隊のコールドストリームガーズ連隊大佐と並んで、国王の馬車を護衛されるアン王女の凛々しいお姿がとても印象的でした。

馬車パレード中、国王夫妻の馬車の後ろで騎乗。写真:Photoshot/アフロ

現在王室騎兵隊ブルーズ・アンド・ロイヤルズの大佐であるアン王女ですが、実は、国王の馬車のすぐ後ろで騎乗、そして護衛をするということは、君主の安全を任され、“ゴールド・スティック・イン・ウェイティング”という称号が与えられた人にのみ許されるものなんです。

母エリザベス二世亡き今、兄チャールズ国王を支えるべく、妹・アン王女が護衛されているお姿を拝見することは感動以上に、胸が熱くなるものがありました。

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【英国チャールズ国王の戴冠式】キャサリン妃とシャーロット王女の華麗なコーディネート
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