2022年8月に12歳の息子と日本からカナダへ移住。海外に住んだら英語がペラペラになる……そんなふうに思っている方もいるかもしれません。でも、現実はそんなに甘くなく、海外生活9ヵ月を迎える現状のリアルをレポートします。

 

関連記事
【こんなに違う日本とカナダの小学校】ピンクヘアやピアスもOK、制服・校則無し。先生はタトゥーあり>>


海外に住むだけでは英語力は伸びない。どんどん自信がなくなる一方……

海外に移住して9ヵ月。どんどん自信がなくなる英語、逞しくなる二の腕...「そんなに甘くなかった現実」_img0
イラスト:Shutterstock

日本語が通じず、日本人も身近にあまりいない海外に身を置くと、何をするにも英語が必要なので、生活しているだけで英語力が上がると思うかもしれません。

ですが実際は、生活すればするほど自分の英語に自信がなくなるのが現実。私のことを“英語が第一言語じゃない人”だとわかっている人とマンツーマンで喋るときは会話が成立しても、ネイティブスピーカー複数人が集まった状態での会話はほぼ聞き取れず……。学生時代から何年も英語を勉強してきたのはなんだったのかと自分で呆れてしまうくらいの有りさま。住む期間が長くなればなるほど、英語の難しさをどんどん感じてきています。

もちろん、少しは進歩したかなと思えることもあります。たとえば、カナダに来た当初は苦手だった電話での会話。対面での会話より聞き取りにくいので、電話するくらいなら、できるだけメールやチャットでの会話にしたいと思っていたのが、今ではハードルがなくなり、何かればすぐ「電話かけるか……」とすぐに思えるようになりました。

けれど、生活で英語を使っているだけでは英語力が伸びるスピードはあまりにゆっくりで、当たり前ですが英語の勉強を本気で再スタートする必要性を感じている今日この頃。子供のサポートと自分の仕事で「英語の勉強をする時間があまり取れない」と言っている場合ではありません。

少し話が逸れますが、私とは反対に、学校や放課後は100%英語環境に身を置いている息子の英語力の進歩には目を見張るものがあります。英語の習得を目的に留学を考えている場合、英語だけを使って毎日を過ごし、学校以外でも英語の勉強の時間をちゃんとつくれば、留学生でも大きく成長できるのは当然でしょう。
 

逆に、どんどん成長しているのは「乗り越え力」

海外に移住して9ヵ月。どんどん自信がなくなる英語、逞しくなる二の腕...「そんなに甘くなかった現実」_img1
イラスト:Shutterstock

英語力は期待したほど伸びていませんが、それに反して、生活力、問題乗り越え能力はどんどん上がっています。母子2人での生活なので、重い荷物も持たなければならないし、家具の組み立ても頼れる人はいません。2人だけで乗り越えていかねばなりません。二の腕はどんどん逞しくなっていく一方です……。

不測の事態が起こったときも、英語に自信があるなし関係なく、まずは自分たちで対処していかなければなりません。

先日、私の体調が悪くなったときは(そのときはそこまで深刻ではありませんでしたが)、何かあったら「911」(警察、消防)に電話すること、そして、私も子供も知っている人の電話番号を息子の携帯に登録し、何かあったらここに電話をすることを息子に伝えました。

慣れない場所での生活は、身も心も逞しくなりますね。
 

ぶっちゃけ子供の留学に学費はいくらかかる?【40代からの親子移住】
▼右にスワイプしてください▼

関連記事
子供の留学に学費はいくらかかる?総額を全公開【40代からの親子移住】>>


撮影・構成・文/高橋香奈子
 

海外に移住して9ヵ月。どんどん自信がなくなる英語、逞しくなる二の腕...「そんなに甘くなかった現実」_img2
 

前回記事「ピンクヘアやピアスもOK、制服・校則無し。先生はタトゥーあり。こんなに違う日本とカナダの小学校」>>