動物の漢字 

【音読み】リュウ・リョウ 【意味】龍。伝説上の動物

火星人か?

これらは金石文(きんせきぶん/青銅器や石に描かれた文字)で、「龍」を表わしている。
もっとも、私たちが想像する龍とはまったく似ていない。昔のマンガに出てくる火星人のようにも見える。「古代の地球に宇宙人が来訪していた」と主張する人がときどきいるが、そういう人には、これらの文字が見つからないよう、細心の注意が必要だろう。見つかったら、これが「宇宙人が地球に来ていた証拠」と言われるに違いないからだ。

まあ龍は想像上の動物だから、想像が行きすぎてこんな形になったのか。

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みなさんがご存知の漢字はあったでしょうか? 今回ご紹介したのは、『奇妙な漢字』に掲載されているもののほんの一部。眺めているだけでも楽しい漢字の数々と、鋭いツッコミを入れながらその奇妙さと向き合う杉岡さんの解説に、漢字の新たな魅力を発見できるはずです!

 


著者プロフィール
杉岡幸徳(すぎおか・こうとく)さん

作家。兵庫県生まれ。東京外国語大学ドイツ語学科卒業。この世の奇妙なものと旅と幻想を愛し、執筆活動を続けている。著作に『世界奇食大全 増補版』(ちくま文庫)、『世界の性習俗』(角川新書)、『大人の探検 奇祭』(実業之日本社)など。
 

『奇妙な漢字』
著者:杉岡幸徳 ポプラ社(ポプラ新書) 990円(税込)

日常生活ではあまり見かけることのない「奇妙な漢字」にスポットを当て、漢字の起源や、なぜこんなに奇妙な漢字が存在するのか? を著者が徹底的に探ります。「形が奇妙な漢字」「読み方・意味が奇妙な漢字」「アートな漢字」「何かがおかしい漢字」などなど、「奇妙な漢字」のオンパレードは全6章にわたります。グラフィカルな文字を眺めているだけでも楽しいですが、杉岡さんの解説コメントがこれまた楽しく、時間を忘れて読み耽ってしまうこと間違いなし。いつのまにか教養が身につく1冊です。


構成/金澤英恵