先日、必要に迫られてセレモニーシーンに必要なバッグを探していた時のこと。約3000円のプチプラのバッグでも、「う〜ん、高いなぁ」と迷っている自分に気づきました。20年以上ファッション業界で働いているため、以前の私は「買い物大好き」。仕事柄、新しい情報も入ってくるので、毎シーズン新しいものが欲しいというタイプで、好きなものを買うために、憧れのものを手に入れるために仕事を頑張っていたと言っても過言ではありませんでした。ここまで大きく価値観が変わってしまった理由を紹介します。

 

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憧れのハイブランドのバッグやおしゃれな洋服を買うために働いていた

写真:Shutterstock

物心ついたときからおしゃれに興味があり、仕事をするならファッション業界がいいと思って生きてきて、20代でファッションエディターになり、いつもおしゃれな人、おしゃれなものに囲まれた生活になりました。仕事柄、毎シーズン新作に触れる機会も多いし、“名品”と言われるアイテムもたくさん見てきました。だから、いつの間にか、毎シーズン新しいバッグや洋服にお金をかけることは、自分への投資だと思っていたんです。大好きなブランドで、気の合う馴染みのショップスタッフの方と一緒に買い物をするのもとても幸せな時間でした。
 

海外に引っ越してから、ファッションにお金を使うのが惜しくなってしまった

必要に迫られ、悩みに悩んだ末、近所のお店で約3000円で買ったバッグ。ストラップはチープ感があり、値段相応なのですが、バッグ本体の色合いやフォルムが素敵。

そんな私でしたが、去年、小学生の子供の海外留学のために一緒に渡航することを決め、東京を離れました。日本から海外への引っ越しは大変なので、スーツケースで持ち込めるぶんだけの荷物しか持って来ませんでした。なので、今のクローゼットにあるのは、最低限の洋服や靴、バッグ。

子供の小学校の卒業式を控えて、セレモニーシーンにぴったりのバッグがないことに気づきました。そこでモールにバッグを探しに行ったのですが、セールで3000円、4000円になっているバッグでも「これにその金額を払う価値があるのか?」と真剣に考えてしまって、店内を何度もグルグル。結局買わずにお店を後に。また後日別のお店でようやく「これなら普段使いもできるし納得できる」と思えるものを見つけ、約3000円のバッグを手に入れました。

東京に住んでいたころの1年前の私なら、もし3000円で「まぁいいじゃん!」と思えるバッグを見つけたら「色違いで買っとく?」と思ってしまっていたでしょうし、ここまで深く考えずに買っていたでしょう……。

こんなふうに価値観が大きく変わってしまったのには3つの理由がありました。

 
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