パリ在住のミモレブロガーの大熊洋子さんが真夏の女子会に着ていったワンピースを紹介します。
同い年のミモレ世代、比較的新しい友人のローランスとは出会ったときからなぜかウマが合い、お互い忙しいなか時間を見つけてはしょっちゅう逢瀬を重ねている。
輝くブロンドにブルーアイ。持ち前のラグジュアリーなエレガンスが、私とは真逆のビジュアルの彼女だけれど、生きてきた過程やフィロゾフィーにはたくさんの共通点がある。
HSP気味の彼女が、緊張したときやテンションが上がったときに、それをカモフラージュするようにとるグリマス(おどけ顔)が私の心を打ち、思わず抱きしめたくなる。彼女にハッピーでいて欲しい。守ってあげたい。どこか恋に似たような友情とでも言おうか。もちろんそんなこと、彼女は知る由もないのだけれども。
今日も真っ赤なポルシェのオープンカーで颯爽と現れた彼女は、エメラルドグリーンのキャミワンピにキャッツアイのサングラス、ネイルは赤。自分に似合うものを熟知している彼女は、髪の色や肌の色、自家用車までアクセサリー感覚でコーディネートしているようで私を驚かせた。
快適な晴天の続くパリの夏。私たちの女子会はもっぱらオープンエアのレストランで。コロナの影響もあってか、ここ数年でパリにはこういう場所が随増えた。大人も子供も、お店の人たちもくつろいで、思わず裸足になっちゃいそうなそんな場所。それもそのはず、レストランの名前は「Les Pieds Dans L’herbe(裸足を芝生に!)」
バーテンさんのシャツがいい感じ。マディソンブルーのハンプトンですか? んな訳ないか。イヤーカフとネックレスのコーデがとても似合っているよね。角刈りで眉毛にはソリが入っている。お懐かしい、日本でいうところのヤンキースタイルはこちらでも一定数いる、という感じ。
私の装いももちろん夏の定番キャミワンピースだ。三段のティアードスカートはボリュームたっぷりで思いっきりロマンチック。歩くたびにシルエットが広がるギャザー入りで、燕尾服のように後ろの丈が長くなっている。胸元のいかついスタッズがなにげにパンクでよいでしょう。何事もただ甘いだけじゃつまんないよ。どこかにピリリとスパイスが効いていないとね。
ガーゼのようなコットン素材だから、汗をかいたら丸洗いできる潔さもよい。夏はなんたって清潔感を第一に考えたいから、家での手入れが困難なものは、どんなに気に入ってもHirokoさんのクローゼットには仲間入りできないのである。
ねぇ、Hiroko! 夏はどう過ごすの? 私はパリ祭の週末はノルマンディーのリゾートホテルで一人で過ごすわ。それから八月には一週間、彼とカンヌに行く予定。悪くないでしょ。もうこの歳までおひとり様をやっていると、一人で過ごす時間が一番落ち着くの。甘い時間は時々でよいのよね。
陽が落ちてきて、爽やかな風が吹いてきた。子供たちは相変わらず元気に裸足で走り回っている。そこに仕事終わりのバーテンたちが参戦して水かけっこを始めた。ああ、この国はなんて自由なんだろう。「こうでなきゃいけない」なんていうプロトコルに、人は全く興味がないのだから。
私の夏休みはもちろん恒例の日本帰省。出発はまだ1ヵ月も先なんだけれど、気が早いかな。旅の支度を少しずつ始めて、あれやこれやと日本でのコーデを練っているところ。幸せ!
構成/幸山梨奈
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