ファッションスタイリスト佐藤佳菜子さんが日常に感じる思いを綴る連載です。


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先日、新人(中年)美容冒険家として、美容クリニック入門を果たした旨をお伝えいたしました。あの日、翌月の予約も入れていたので、ワンダーランド(クリニック)を再訪したわけです。戦いの章 stage2。

Stage1の話はこちらの記事をご参照ください。
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とはいえ、今回も顔にメスなどを入れる勇気もなければ、ヒアルロン酸でおでこを、まん丸マル子にする野望もなかったので、また、美肌系のレーザーなどをして帰ろうと思っていたのです。それなのに、診察室で先生の前の椅子に座ったとたん、なぜか数日前に、たまたまSNSの広告で見た、肩ボトックスというワードが脳裏をよぎった。

こんないいタイミングでその広告のことを思い出すなんて、もはや、美容沼に住む闇のビッグボス(誰?)とSNSが結託して、わたしを沼に沈めようをしてないか? という考えが頭の片隅にちらついたけれど、脳みそと口先が直結しているわたしは、もうそんなことを考えてる間にも、「センセ、肩ボトックスってなんですか?」と聞いていた。

写真に撮られた自分を見たときに、肩周辺が妙にモコっとしているのが、気になっていたのだ。リンパを流したり、頻繁にマッサージに通ったりしても、どうしても立派に張りつめる肩をゆるめることが難しかったので、もしかして、筋肉を撲滅した方が早いのでは? と、思ったのだ。

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先生は、肩の筋肉に打つことは、もちろんできるけど、そこの筋肉は、首から背中と全部がタテ方向につながっているから、肩のところだけ潰しても、代わりに他のところに負担がいってしまうことがあるし、なんとなく肩がしばらく痛かったり、ムズムズしたりする人もいるけど、どうする? ととても正直なアレコレを手短に説明してくれた。

ただ、思い立ったら吉日タイプのわたしは、そんなネガティブな側面には怯まない。やってみよう、やってみないとわからない。ということで、遠慮なく肩の筋肉を退治することにした。

「バルス!!!!!」

結果、一言で言うと、すばらしい。先生がうまかったのだと思いますが、鬼退治大成功。まず、肩が下がった割には、まったくどこの部位(←焼肉屋か)も痛くもかゆくもなかったし、なんということか、あれほど欲していたマッサージに行きたい欲がゼロになった。つまり、肩がこっていないのだ。あれだけ慢性的でひどかった肩こりを、注射一本で葬ってしまった。とんだ副産物。思いつきにしては、お土産が多すぎる。

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ただ、やはり後から聞いてみると、肩ボトックスをした人の中には、打ったその日から肩が痛くて痛くて、手も上がらないし荷物も持てなかった、と言う人もいて、これは一か八かなギャンブル性も十分に兼ね備えていると思うので、むやみにオススメはしません。先生を自分の目で選んで、マイナス面も理解して、その上で自分の責任で飛び込める「オトナ」の魅惑の沼です。

ということで、ボトックスをしてから数週間、一回もマッサージに行っていません。怖い。逆に怖い。こんな魔法が使えてしまうから、この沼は危ない。依存性が出てくるのがよくわかる。いつまで、引きの目線で見ていられるかな、自分。あの、皆さん、絶対おしえてくださいね、なんかヌルンとしだしたり、どこか不自然な雰囲気を出し始めたりしたら、容赦なくおしえてください。それだけは、お願いします。

 

うちのマーちゃんは、極端になで肩ですが、本人はまったく気にする様子もありません。


スタイリスト佐藤佳菜子さんのコーディネート
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バナー画像撮影/川﨑一貴(MOUSTACHE)
文/佐藤佳菜子
構成/高橋香奈子
 


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