年々代謝が衰える40代以降は、どうしても太りやすくなるもの。とはいえ、「食べないダイエット」はさらに代謝を落としてやせにくい体になるだけでなく、げっそりと老けた印象を招きます。

「効率よく栄養をとることが健康的にやせるいちばんの秘訣。代謝がスムーズに行われて、生理機能もきちんと働きます」と管理栄養士の関口絢子さん。そのために積極的にとりたいのが発酵食品です。

「発酵食品は微生物によって分解された食品。分解されることで消化吸収がよくなり、また新たな栄養素が生み出されます。微生物の種類によっては腸内の善玉菌に働きかけて、排出力を高める効果も。一日の推奨量はありませんが、何かしらを毎日とりたいですね」

この連載では8回に渡って、ダイエットのために取り入れたい発酵食品とおすすめの食べ方をご紹介。第6回目は「ぬか漬け」です。 


カリウム、ビタミンB群、植物乳酸菌…いつもの野菜がやせフードに!

 

食卓にあがることも多いぬか漬けですが、ぬかとは玄米を精米する際に削る外皮のこと。そのぬかに塩や水を混ぜて野菜を漬け、自然発酵させたものがぬか漬けです。
「ぬかはカリウムやビタミンB群などの栄養が豊富で、野菜をぬか漬けにすることで、その栄養素がプラスされます。もともと野菜にはカリウムが含まれていますが、さらにその量が多くなるんです」と関口さん。
カリウムは人の体の栄養素として欠かせない必須ミネラルのひとつで、塩分の排出を促す作用があります。「ダイエット中に余分な水分をため込んで体重が落ちないときなどにおすすめです」

 

またぬか漬けは、乳酸菌の力で野菜を発酵させている点にも注目。一般的にぬか床1kgには10億もの植物乳酸菌が存在しているそう。「ぬか漬けを食べると善玉菌が増えて悪玉菌が減少するので、腸内環境が改善されます。便秘も解消されて、やせやすい体質になるでしょう。また漬ける野菜は生の状態なので、食品に含まれる食物酵素を一緒にとりいれることができ、消化がよくなるのもポイントです」

そしてビタミンB群が豊富なのも注目すべき点。「ビタミンB1は糖質のエネルギー変換、ビタミンB2は脂質代謝をそれぞれサポート。ぬか漬けを食べることで、食事から摂取した糖質や脂質が、体脂肪として蓄積しにくくなります」

「ただし、塩分のとりすぎに注意が必要。やせ食材だからといって大量に食べるのはおすすめできません」。目安は1日1食のどこかに小皿一皿分ほど取り入れること。食事の最後に食べると、乳酸菌が腸まで届く確率が上がるといわれています。

おすすめレシピ①ナスのぬか漬け

 

きゅうり、にんじん、大根、キャベツなど、ほとんどの野菜はぬか漬けにできるそうだけど、関口さんがなかでもおすすめするのがナス。「普段、あまり生で食べる機会がないので、ぜひぬか漬けで生のナスを楽しんでください」。ちょうど今が旬のナス、ぜひ試してください。
 


おすすめレシピ②ぬか漬けのタルタルソース

 

「ぬか漬けは、乳酸菌で発酵させているので、少しおいておくと酸っぱくなってきます。食べにくいと感じたら、逆にその酸っぱさを利用して、タルタルソースにしてみるとおいしく食べられ、満足感も得られます。作り方は、ぬか漬けを刻んでマヨネーズと和えるだけOK。ただしマヨネーズはヘルシーなタイプのものを選んでくださいね」。チキン南蛮にしたり、魚のソテーや野菜のグリルにどうぞ。

 

切ったらそのまま箸休めの一品になるぬか漬けは、ダイエットのためだけでなく、忙しいミモレ世代にきっと役立つはず。最近では自分で漬けている人も多いと聞きますが、少しめんどうと感じる方は、手軽に始められるキットなども売られているので、ぜひ利用してみてください。


関口絢子さん料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト。
“食を通じて世の中を元気に健康にしたい”をモットーに、すぐに実践したくなるお役立ち情報を発信。エビデンスに裏付けされた、美と健康に関するお悩み解消レシピに定評があり、なかでも登録者数43万人越えのYouTube「管理栄養士 関口絢子のウェルネスキッチン」が人気。

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写真/Shutterstock
構成・文/村田由美子
 

 

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