NOと言えない夫


妊娠をきっかけに専業主婦になった元妻。よって祐介さんが経済的に彼女を養うことになりますが、その直後、クレジットカードの引き落とし額を見てかなり驚いたそう。なんと、100万円近く使っていたというのです。

「さすがに驚いて何に使ったのか聞くと、ほとんどが子供用品だったので、それならと納得しました。彼女も『次からはきちんと相談する、ごめんなさい』と、しおらしい様子で……2人の子供のためなのに、俺って嫌な奴だと反省したり。

でも一方で、これからは彼女のお小遣いも自分が負担しなければならないんだと痛感し、少し怖くなりました」

その後、祐介さんの予想通り、月々の出費はどんどん多くなっていきました。子供が生まれるからと都内の2LDKのマンションをローンで購入し、月々の支払いは値上がり。元妻は都内の有名な産院で出産し、その費用も150万円ほどかかったそうです。

「いちいち出費が痛いと思うようになりましたが、周囲の知人友人も子供が生まれるととにかくお金がかかると言っていたので、まあこんなもんだろうと思ったし、それよりも娘の可愛さが優っていました」

 

祐介さんから見て、元妻はお世話上手の良い母親でした。母乳のために健康的な食事に気をつけ、離乳食も無農薬野菜で調理。さらに乳児の頃から脳トレに通ったりしていたそうで、意識の高さが伺えます。

 

「彼女はかなり育児に専念していました。ちょっと神経質と思うこともありましたが、でも娘のために全てを捧げてくれるのはありがたかった。でも、いろんなものが総じて『高いなあ。。』と思い始めたのも事実で……。食費や消耗品、彼女がどこからか見つけて通い始めたお教室だとか、ベビーシッター代などすべてを合わせて、平均40万円くらい使っていました。

そして娘が2歳のとき、年間300万円近くかかる認可外のインターナショナルスクールに入れると言い出しました。さすがに渋りましたが、幼児教育の重要性をさんざんプレゼンされ……。しかも小学校受験も見据えて、習い事も増やしたいと……」

すでに少々財政難に陥っていた祐介さんは、このときなんと、ご両親に1000万円援助してもらうことになりました。

「今思えば、色々と調べもせず元妻の言いなりになっていた僕も悪いと思います。でも彼女に頼まれると、なぜかNOと言えなくて。むしろ自分が不甲斐ない気持ちと、家族のためにもっと頑張らなければと申し訳なく感じていました」