性は衰えず、熟成させるもの


福本敦子さん(以下、福本) 森田先生の本『枯れないからだ』を読んだとき、「性を熟成させる」って言葉が出てきて、すごく素敵だなって思ったんです。

森田敦子さん(以下、森田) 人間って歳を重ねるにつれて徐々に老化していくけれど、女性が本当の性の喜びを知るのは閉経後だと思う。閉経を迎えたら女性ホルモンが分泌されなくなって、女として終わってしまうって思いがちじゃない?

福本 そう感じてしまう人はいるかもしれない。

森田 もちろん身体は老化していくけれど、ちゃんとケアすれば膣が萎縮するリスクは軽減するし、骨と筋肉を上手に動かせれば、女性としての快楽も楽しめる。私、30歳年上の友達がいるんだけど、彼女はシニアになっても燃え上がるような恋をしていて、なんて楽しそうなんだろうって思うの。若い頃たくさん悩んだり、いろんな経験をした分、歳を重ねると“まぁいいよね”“こんなのもアリだよね”って思えることが増えて、キラキラ輝く。そういう先輩たちを見ていると、私は若い頃に戻りたいなんて思わない、ちっとも。

 

福本 私も思い返すと、昔の恋の方が気持ち的に大変だったな~って思います(笑)。逆に歳を重ねて、感受性や感度が育つということもありますか?

森田 あるよ! だから、女性は歳を重ねてからが本番だと思う。妊娠を気にする必要もないし、シニアになってからの方がアクティブにセックスを楽しめる。20代のときは今が一番だと思ってたけど、年齢を重ねたからこそのセックスの素晴らしさがある。

 

福本 それが“性が成熟する”ということ。

森田 だから、歳を取るのが怖いと思う必要はない。

福本 年上の人がキラキラ輝いている姿を見ると、積極的に生きてる感じがして、素敵だなって思うんです。自分が好きなこと、リラックスできること、幸せを知ってる人ってすごい。

森田 そのためにも、相手によく思われたいと思っちゃうとダメだよね。まずは、自分。

福本 人と比べて自信がないって思いがち、思わされがちだけど、誰かの評価を望むよりも、自分が自分を大事に思うことから始めた方がいい。

森田 うん、それが一番気持ちいいことだよね。