不要になったら次のひとへ。洋服や食器も当たり前のようにリサイクル


最近は北欧でもますますエコの意識が高まってきていて、お店でもさまざまな取り組みが進んでいます。

北欧の子どもたちが、みんな1着は持っていると思われるLINDEX(リンデックス)というブランドの洋服。裏側を見てみると、名前のタグが3枚縫いつけられているんです。サイズが小さくなったら、タグを切って、次の子に渡せるという仕組み。シンプルで理にかなっていて、すごく北欧らしい発想だなぁと思います。

また、ストックホルムの郊外には、中古品のみを販売しているRe Tuna(レトゥーナ)という大型ショッピングモールがあります。モールの横には、不要になったものを捨てるリサイクルセンターが併設されていて、捨てられたものを修理したり、アップサイクルしたりして、すぐ横で販売されるという仕組み。ゆっくり飲食できるスペースもあり、1日そこで過ごすファミリーもいて、新しい週末の過ごし方になっているそう。

真四角の棚は、実は捨てられていたもの。見つけたときは思わずガッツポーズしたのだとか(リーネさん)。
歯科医である母が、仕事場で使っていた書類棚。今ではペルニッレさんのオフィスで活躍中。


また、店舗の中で新品とユーズド品の両方を並べて、販売しているお店も増えています。そのひとつが、北欧食器メーカーのittala(イッタラ)。新品の食器たちが並ぶ店内でセカンドハンドの商品も販売しているのです。新しい商品とユーズド品、ふたつの選択肢があるって、消費者としてはありがたいことだなぁと思います。

不要になったら次のひとへ。みんなで長く使う。今の時代にますます必要な考え方だなと感じます。

 
 

『北欧の日常、自分の暮らし - 居心地のいい場所は自分でつくる -』
著者:桒原さやか ワニブックス 1595円(税込)

スウェーデン人の夫と2人の子どもといっしょに長野県松本市に暮らす著者が、北欧のひとたちから学び、実践している「心地よく過ごせる」暮らしの工夫を紹介。さらに、デンマーク・コペンハーゲン在住の3家族の暮らしぶりも写真入りで紹介することで、現代の北欧の人々のライフスタイルに深く迫ります。日本の暮らしにも取り入れられそうな知恵が満載です。



写真/『北欧の日常、自分の暮らし』より
構成/さくま健太