パンチョが7歳の時、ガバチョを迎え入れました。「ガールフレンドを迎え入れよう!」と思って保護猫サイトでメスの子猫を見つけました。それがガバチョです。1週間、トライアルをすることになったのですが、うちに来て実はオス猫だということが発覚しました(笑)。それでもまぁいいか、ということでうちに迎え入れたら情がわいて、そのまま一緒に暮らすことになりました。
パンチョとガバチョは仲良し! というわけではありません。ガバチョはパンチョのことが好きでちょっかいをかけてきますが、パンチョは一定の距離を保ちたいタイプ。性格的には、パンチョはじーっと見つめるような粘着的な甘えたで、ガバチョは積極的な甘えた。2匹とも僕より妻と仲良しで、人生初の嫉妬を妻にしました。でも、妻や子どもと猫が仲良さそうにしているのは平和だし、うれしいことです。
パンチョはいま14歳。今のところ目立った病気はないけど、寝ている時間が長くなったような気がします。その分、寝起きの情けない顔を撮るチャンスが増えました。9.5kgもあった体重も、今は7kgくらいになりました。体重MAXの時は米袋のようでしたけど(笑)。2年前に今の家に引っ越してきたのですが、階段の上り下りが気に入っているようで、自然に運動できているのはよかったなと思っています。
でも、「これがいつまでも続くと思うなよ」と自分に言い聞かせることが増えました。猫が早いか、僕が早いか。たぶん平均寿命で考えると、僕の方が長生きするでしょう。家族や友人を失ったことはあるし、自分なりに覚悟を持っているつもりでも、パンチョは僕にとって初めての猫なので、もしもの時にどんな気持ちになるのかはわかりません。
パンチョが7歳のときにガバチョを迎えた理由の5%くらいに、パンチョがいつかいなくなった時のことを考えていたような気がします。もしパンチョがいなくなってもガバチョがいる。そのガバチョも7歳なので、新しい猫を迎える時期と言えなくもないけど、今、新しい猫を迎え入れてパンチョの平穏を乱したくはないからです。そもそもパンチョが元気なのに、新しい猫を積極的に探すことはありません。もしかしたら偶然、道で子猫と出会って……、ということがあるかもしれませんが。
僕がデスクに向かって仕事をしていると、パンチョが膝に乗ってきます。そこで、僕は脚を机に乗せます、パンチョは僕の脚をハンモック代わりに寝るのが好きなんです。僕がパンチョをなでて、パンチョがゴロゴロして、満足したら立ち去っていきます。こうしたルーティーンもパンチョと一緒に暮らす長い年月で築いてきたもののひとつ。
パンチョが若い頃は、単純に「わ〜、かわいい!」というだけだったかもしれないけど、いまは深く、しみじみとパンチョのよさを感じています。もちろんガバチョも。いつか死ぬのはしょうがない。でも、今の時間を大切にしたいです。
イラスト/Shutterstock
文・編集/吉川明子
前回記事「19歳のおっさん猫(人間年齢92歳!)が、余命宣告で涙を流した...?【シニア猫のお話】」>>
- 1
- 2
1