セックスレスに不満を募らせる夫に、妻の驚きの提案


「産後は、レス気味どころか完全にセックスレスになりました。もともと淡白で神経質気味だったことに加えて、奥さんは娘に夢中で性欲なんて微塵もない状態、また子どもがいる家では当然できないようで。

かといって、そのために娘を置いて出かける時間と労力を夫婦で捻出する余裕もありませんでした」

産後の夫婦のセックスレス問題についてはよく耳にしますが、女性側からすると、「それどころではない」というのが多くの意見だと思います。

個人差はありますが、産後の女性の身体には数ヶ月〜人によっては何年もダメージが残っていたり、またホルモンの急激な変化でメンタルも不安定。そんな中、仕事や育児で多忙であれば、夫婦生活に体力と時間を割く気分にならないのも仕方ないと思います。

とはいえ、性欲は本能的なものなので、それを我慢しなければならない男性側の辛さも当然あるのです。篤史さんは、そんな状況に寂しさを感じたようです。

「ただ、産後しばらくは僕も育児に専念していて忙しかったので、セックスレスについてさほど深刻に悩んでいませんでした。でも娘が1歳を過ぎて保育園に入り、色々と縁が重なって始めた飲食店の仕事もひと段落すると、だんだんと不満が溜まってきたんです。

不満というか、寂しくなったというほうが正確かもしれません。ピリピリしたパパママでなく、男女に戻る時間が欲しかった。奥さんにも『2人の時間が欲しい』『セックスがしたい』とはっきり伝えて相談しましたが、でも彼女はそんな余裕はないと。それで結婚当時の話に遡り、『なら、やっぱり外で他の人としてきていい?』『いやふざけるな!』みたいなバトルに発展していました」

お互いの言い分も理解できるものの、やはり改めて解決が難しい問題だと思います。

妻にとっては「そんな余裕はない=少なくとも自分は性的関係がなくても問題ない」という感覚ですが、夫にとっては単なる性欲解消という意味合いだけでなく、妻の愛情を確認する行為でもあったのだと思います。

しかし夫婦はこのとき、少々驚く折衷案に落ち着いたのです。

「さんざんケンカした結果、奥さんが『もう風俗なら行ってきていい』となったんです。そうしたら、これまで育児だなんだといろいろと抑圧していた反動もあったのか、ネジが外れたみたいになっちゃって。気づいたら月に10万円以上風俗に使うようになってたんです」

この選択が正しいのかどうかは置いておくとして、自分が夫の相手をできないから風俗を許すという妻は寛大だと思いました。常識に囚われず、夫への思いやりを優先したのかもしれません。

しかしながら、やはり篤史さんの抱える問題は単なる性欲解消だけではなく、この風俗の許可が入り口となり、ついに禁断の選択をしてしまうのです……。