『セックス・エデュケーション シーズン4』

『セックス・エデュケーション シーズン4』 Netflixにて配信中 ©︎Sam Taylor/Netflix

著名なセックスカウンセラーの息子が、童貞だけど母親の見様見真似で高校でセックスカウンセリング・サービスを始める、というイギリス制作のドラマシリーズ。シーズン3から時間があいて久々に観ましたが、第1話から面白い! やっぱり脚本がしっかりしてるんですよねえ。

 


この作品のいちばんの魅力は、登場人物全員がルーザーなこと。それがどんなに学校で人気者だろうが、社会的に成功していようが、皆悩みを抱えていて。だけどみんな、最終話ではちゃんと成長しているのが素晴らしい。

シーズン4では高校生だった主要キャラたちが大学に入り、これまでとは異なる環境で、新しいメンバーたちと馴染んで行くまでを描いています。その大学はLGBTQ+にオープンで陰口を言ったら罰金、差別が全くないコミュニティを生徒たちが自主的に目指している。だけど蓋を開けてみれば、障がい者には生きづらい設備があったり、アセクシャルの生徒がそれを言い出せずに悩んでいたりする。本当の平等って何だろうね、というのが裏テーマ。

一方、主人公の母親も、高齢でシングルマザーになったはいいものの、久しぶりの育児と慣れないラジオ番組ホストの仕事の両立が上手く行かずに自信喪失。そんなキャラクターたちの姿を通じて、生きるってときにカッコ悪くて惨めなこともあるけど、それはみんな同じで、みんなセックスで悩んだりしながらもがいて生きてるんだな〜、と勇気をもらえます。

そしてここでも、「家族」は重要なキーワードに。甘えすぎたり干渉しすぎたり。このドラマに出てくる家族はみんな、様々な問題を抱えていて。家族だから無条件で愛せるだなんてことはないけれど、愛しているならちゃんと「I LOVE YOU」を伝えるのは大事ですよね。

そんなわけで、万人が共感できる良作なのですが、何しろセックス描写が多いので、ご家族との鑑賞はおすすめできません。おひとりでひっそり観ることを推奨します。