僕が「プリキュア」を大人にも勧める理由

いつのまにか、プリキュアの年齢に追いつき、追い越し20歳になった娘。
娘の「憧れのお姉さん」だったプリキュアは、いつのまにか年下になっていました。

「プリキュアはアニメだけではなく、プリキュアという体験を提供している」と『スター☆トゥインクルプリキュア』(2019)のプロデューサー、柳川あかり氏は言います。

僕はこの言葉が大好きなのです。

プリキュアは、アニメを観ることだけではなく、パパとママと手をつないで映画を観に行ったこと。前日の夜、眠る寸前までずっとおしゃべりをしていた娘の声。

肩車をしてなんとか隙間から見たプリキュアショー。クリスマスイブに「喜んでくれるといいな」とすこし不安になりながら枕元にそっと忍ばせた変身おもちゃ。

『Yes!プリキュア5』のキュアドリームのコスチュームでポーズ!(写真提供=kasumiさん)

出張先のコンビニでふとプリキュアのお菓子を見つけ「娘がいたらきっと喜んでただろうな……なんで今いないんだろう……」と思ったら泣けてきた時。

誕生日プレゼントに何がいいかわからず、1時間近くおもちゃ売り場をうろうろしたこと。一緒にケーキを食べた事、イチゴの赤い色。プリキュアシャンプーの香り。

夜、プリキュアのお話をお布団の中でたくさんしたこと。
手をつないで一緒にお出かけしたこと。パパの人差し指だけを握る小さな手。

一緒に見に行った『映画 ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?』(2010)、パネルの前で記念写真(写真右)。(写真提供=kasumiさん)

制作者は、そういった「プリキュアとともに家族と過ごした思い出」こそが「プリキュア」そのものである、としているのです。

そういった意味でもプリキュアは子どもたちに夢を与えるだけではなく、一緒に観ていた大人たちをも幸せにしていたのだと思うのです。

 


少なくとも僕は娘と一緒にプリキュアを観ることでたくさんの幸せを受け取りました。こんな幸せを独り占めしておくのはあまりにももったいない。

だから、僕は大人にもプリキュアを勧めるのです。プリキュアは、こんなにも大人を幸せにしてくれるんだよ、ってことをたくさんの人に伝えたいのです。