走ることで「ありのままの自分を認める」

 

ランニングは基本的に個のスポーツですから、プロのアスリートでない限り、他人と比べる必要はありません。

比べるとしたら過去の自分。走る中で、現在のありのままの自分を受け入れ、そこに自分らしさを見つけたり、今の体調や気持ちといった、今の自分を再認識できたりします。

昔ほど速く、長く、軽く走れなくても大丈夫。ありのままを認識し、今の自分を見つめることを楽しんでください。走っている間に分泌されるドーパミンやアドレナリンが、自分へのポジティブなイメージを強くしてくれます。
 

 


ランニングは「楽しむ」と続く

 

私は練習を続けているうちに、だんだん走れる距離が長くなってきたり、ウェアにこだわったりして、ランニングがどんどん楽しくなっていきました。楽しくなってきたから走る習慣がついて、今では、走らないと1日がはじまらないようになりました。

なので、ここで挙げたさまざまな効能を享受することを、最初から目指していたわけではありませんでした。ランニングをはじめてから、「何か調子がいいな」と思うようになったのです。どうやら、その「調子の良さ」は、仕事がはかどり、よく眠れるようになったことなどから来るようでした。

ランニング自体の楽しさや気持ち良さに加えて、「調子の良さ」を実感するために、さらにランニングに夢中になりました。楽しんでいれば、いつの間にか習慣化して(私は楽しく走っていたら、気づけば地球2周を走っていました)、結果も自ずとついてくるのです。ぜひランニング自体の楽しさも感じてみてくださいね。


次回、「ランニングが続かないのは『意志が弱い』からじゃない? 継続の秘訣は『スケジュール帳』にアリ!」は4月28日公開です!
 


著者プロフィール
倉島万由子(くらしま・まゆこ)さん

ランニングジャーナリスト。1971年香川県生まれ。オーストラリア在住。近畿日本ツーリスト勤務時代の2000年、シドニーオリンピック業務担当としてシドニーに駐在。この頃から、出社時・昼休みにはランニングウェアに着替えて走り、金曜日の仕事終わりにミニレースに参加後、ビールを楽しむようになる。そして、スタジアムが割れんばかりの声援と熱気で揺れた、高橋尚子選手の金メダルの瞬間を現地で見た感動が忘れられず、ランニングと生きることを決める。2002年のソルトレーク冬季オリンピック・日韓サッカーワールドカップの仕事に従事後、退社。走る世界にもっと触れるため、ランナーズ社(現アールビーズ社)に転職。日本市民ランナーを40年以上牽引し、女性ランナーの先駆者である雑誌『ランナーズ』の創刊者、下条由紀子(当時編集長)氏から走ることを学ぶ。ランニング歴25年。参加したレース(フルマラソン・ハーフマラソン・10kmレース)は200大会以上。現在地球2周(約8万km)を達成し、3周目に向かっている。

 

 

『楽しいから続く、続くから効果が出る くせになるランニング』
著者:倉島万由子 日本実業出版社 1650円(税込)

健康のためにランニングを始めてみたものの、続けられない自分にがっかりしたこと、ありませんか? でも大丈夫、それはあなたの「やる気」が足りないからではありません! 地球2周(約8km)を走ったランニングジャーナリストの著者が教える、毎日楽しみながら、効果を実感するための「楽しくてくせになる」ランニングのノウハウ。家事に育児、仕事に介護……忙しい女性でも日常生活に取り入れやすい、今度こそ続けられるランニングの秘訣を、優しい言葉で丁寧に教えます!


写真:Shutterstock
構成/金澤英恵