セレブのファッションから、大人の女性が素敵に輝く着こなしのルールを学ぶ、短期集中連載。第2回は、実業家としても活躍しつつ、4人の子供を育てるワーキングママ、ヴィクトリア・ベッカム。シンプルだけどモード感溢れる彼女の、シーン別パンツスタイルをご紹介します。

 



“ベッカムファミリー”のプロデューサーとしての腕も一流

欧米人にしては163cmと背がそこまで高くなく、ほっそりした体型のヴィクトリアは日本人が比較的お手本にしやすいおしゃれアイコン。夫デヴィッドのイケメンぶりもあいまって、ヴィクトリアだけでなく「ベッカム・ファミリー」全体が、世界中の憧れの対象となっています。

そもそも、イギリスの国民的アイドルグループ「スパイス・ガールズ」のメンバーだったポッシュことヴィクトリアにサッカー選手のデヴィッド・ベッカムがひとめぼれして1999年に結婚。センスが良く、プロデュース力に優れているヴィクトリアは、自分だけではなくデヴィッドのおしゃれも大改造し、「憧れるセレブカップル」ナンバーワンに。ヴィクトリア単体ではイギリス国内の人気で留まっていたでしょうが、結婚後のサッカーブームもあり、W杯でイングランド代表だったイケメン選手のデヴィッドの人気が高まると、スタイリッシュなベッカム夫妻は世界中でブームを巻き起こしたのであります。

ヴィクトリア自身も「ベッカム・ファミリー」ブランドの価値を良くわかっていて、SNSでは頻繁に、息子のブルックリン、ロメオ、クルス、そして娘のハーパーたちと過ごす家族写真を投稿。ファッションだけでなく、「イケてるうえに仲良し家族」像までプロデュースした結果、今やベッカム・ファミリーの資産価値は1兆円(!)超えとも言われています。

そんなワーキングママ、ヴィクトリアのおしゃれの中でも際立っているのは、パンツのスタイリッシュな着こなし。


おしゃれ更年期を乗り切るコツは、モードなパンツスタイル

ヴィクトリアは現在46歳。おしゃれ更年期真っ只中であるアラフィフ世代に突入してからは、以前に比べると肌の露出はかなり控えめになり、最近では、ハリのある上質素材のパンツスタイルが主流になってきている傾向が。子供たちと過ごすオフの日も、夫デヴィッドとのデートでも、そしてもちろん、仕事のミーティングでも。

アラフィフ世代の体型をカバーしつつ動きやすいベーシックなパンツを選んで、それに旬小物を投入して鮮度を上げたモードなパンツスタイルは、私たちにもお手本にしやすいものばかり。

ヴィクトリアの着こなしの鍵は、「ベーシック7、モード3」のさじ加減。この「モード」の部分だけでなく、「ベーシック」の部分をいかにきちんと更新できるかで、おしゃれの鮮度は決まってしまうのです。

例えばシャツとセンタープレスパンツ、デニムと白Tなどと言った彼女の定番スタイルも、年齢を重ねるとともに、少しずつアップデートしているのが、「錆びない女」であり続けている秘訣と言えそう。
 

 STYLE1 
息子とのフロントロウ参戦はフリルで甘さをプラス

 

長男ブルックリンとガールフレンドを連れての、ロンドンコレクション鑑賞へは、仕立ての良いツィードのパンツスーツにフリルブラウスで、セレブの貫禄オーラに柔らかさをほんのり加えた装いで。
 

 STYLE2 
ニューヨーク出張は色×柄の遊び心あるパンツコーデで

 

トレンドのチェックJKは地味にならぬよう、ライトグリーンのニットとイエローパンプスでポップに仕上げて。ひとつひとつのアイテムはベーシックだけれど、色と柄で今っぽさを加えています。
 

 STYLE3 
夫デヴィッドとのフライトは女っぽいレギンススタイル

 

ジェットセッターのヴィクトリア。夫デヴィッドとのフライトスタイルは、ロングカーデにレギンスを合わせた女っぽい着こなしに、白のパンプスで抜け感を投入。ミニマム派のヴィクトリアは、シルエットの美しいシンプルな服にモード小物を合わせて、ジュエリーはあまり着けない主義。その潔さがシャープなかっこよさに繋がっています。
 

 STYLE4 
娘ハーパーとのサッカー観戦はデニムでカジュアルに

 

娘のハーパーちゃんとサッカー観戦の日は、白T×スキニーデニムに、スタジャン風でエッジの効いたデザインのライダースを羽織って。足元はネオンパンプスで鮮度を上げているのが、カジュアルスタイルをクールに見せるポイント。
 

 STYLE5 
大事なミーティングにはきちんと感あるブラックコーデ

 

インターナショナル・ウーマンズ・デーのランチミーティングには、黒トレンチに流行中の前スリットパンツで、端正な中にトレンド感を薫らせたブラックコーデをチョイス。

 

 STYLE6 
フライトスタイルはシンプルかつ細部にこだわりを

 

仕事のニューヨーク出張からロンドンに帰る日は、レギンスにキャメルのコートを合わせた、スタイリッシュな着こなしで。裾のロールアップと旬のスリットパンプスで足首を見せて女っぽく。ベーシックカラーのシンプルなアイテムがこんなにおしゃれに見えるのは、洋服の着方にもかなりこだわっているからなのであります。
 

 STYLE7 
家族揃ってのレッドカーペットは白パンツスーツで

 

『GQ』の「マン・オブ・ザ・イヤー」授賞式のレッドカーペットに、長男ブルックリンと夫デヴィッドとともに登場。タキシードのイケメンを従えての真っ白なパンツスタイルがかっこいい! 美シルエットのパンツスーツはヴィクトリアの定番ワードローブ。シルエットやディテールを、少しずつアップデートさせているから、常に同じようなアイテムを着ていても、古く見えないのがお見事。


アパレルブランド「ヴィクトリア・ベッカム」のデザイナーとして活躍し、4人の子供を育てつつ、デヴィッドとの結婚生活も去年結婚20周年を迎えたヴィクトリア。

母であり妻であり、そしてビジネスウーマンでもある。
そのどの顔にも相応しく、それでいて絶妙な今っぽさを感じさせる装いは、まさに、アラフィフ世代のおしゃれアイコン。

2000年代の「ベッカム・ブーム」が落ち着いても彼女が注目され続けるのは、彼女のスタイルには、いつ見てもハッとさせられる新鮮さがあるからなのであります。

Moyuru’s 格言
アラフォー以降に輝けるのは、自分のスタイルを持ちつつアップデートし続けていける女である。
原稿/さかいもゆる
写真/アフロ
構成/朏亜希子

 

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