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プロが語る睡眠の質を高める寝具の選び方

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実践するのみ! 睡眠の質の良さは寝具で決まる
質の良い睡眠をサポートする3つの心得

 

何度も耳にする『睡眠環境』。アスリートだけでなく、私たちも睡眠環境をより良い状態にするには、一体どのようなことをすればいいのでしょうか?
ここで、長谷川さんに良い睡眠環境を整える3つの心得を教えていただきました。

 

その1
心地良く寝返りがうてること
眠っている間、私たちは寝返りをします。1日の寝返りは約20〜30回と言われています。スムーズに寝返りをうてないと多くの筋力を使うことで脳が覚醒し、睡眠を妨げてしまいます。そこで、寝返りしやすい適度な反発力のある寝具をおすすめします。エアウィーヴが独自開発したポリエチレン樹脂が三次元状にからみみ合った【エアファイバー】は、復元性が高く体の動きにスムーズにマットレスが反応するので、楽に寝返りをうつことができます。実はこれが大切なことなのです。

余談ですが、エアウィーヴとは真逆の構造である『ウレタン製など低反発のベッドマットレスは体に良いのでしょうか』と聞かれることがあります。体が沈むことで“フィット感がある”というのが特徴なのですが、寝返りをする時に沈んでしまった体を動かすわけですから、筋力負荷がかかりすぎてしまうというケースも。「目覚めが悪い」「疲れが取れない」などの症状の方は、眠っている間にストレスが生じている場合があるのかもしれません。


その2
通気性の良いベッドで体温調整をサポート
エアウィーヴのマットレスの約90%は、空気でできています。とにかく通気性が良く、夏はムレにくく涼しい、冬は暖かく過ごせます。「空気なのに暖かくなるの?」と疑問を持たれる方もいらっしゃいますが、空気の層が作られることで断熱材の役割をしているのです。身近なモノでいえば、ダウンジャケットと同じ構造ですね。羽毛と羽毛の間に十分な空気があるため、暖かくなるわけです。


その3
眠る前に光のコントロールをすること
光を調整することで「寝る」意識を高めることもひとつの手。日中は明るく、夜は暗くすることで体のリズムが整い、夜には自然な眠りがおとずれます。ベッドに入る2〜3時間前から部屋の照明は暗めにしたほうがベター。できれば部屋内も蛍光灯は使わず間接照明を使うことをおすすめします。


今からでもできる、
快眠を得るための寝具Q&A

 

より良い睡眠環境を整えるためには一体、何をしたら良い? 今日からできる睡眠環境を得るための寝具にまつわる「基本のキ」。こちらも長谷川さんに聞いてみました。
 

Q:良いマットレスの選び方は?

 

先ほどの良い睡眠環境の心得のところでお話しした内容の延長になりますが、触ったときの“押し心地(感触)”で判断するのはNG。ベッドは全身を預け、一晩寝るわけですから、起きた時に爽快感を得られる機能性で選ぶことをおすすめします。
 

Q:ベッドを買い替えたばかりなので、替えることができません。

 

せっかく睡眠環境を整えたいと思っていても、ベッドを買い替えたばかりで経済的に厳しいという方もいらっしゃいますよね。そのような方には今、使われている寝具の上に1枚敷くだけの「マットレス パッド」がおすすめです。たったこれだけでも寝心地は変わりますよ。
 

Q:寝具の買い替え時というのはありますか?

 

「ベッドを購入した時から替えていない」という方が意外にも多いのですが、寝具は消耗品です。機能の低下したマットレスを使い続けていては睡眠の質もどんどん低下してしまいます。商品にもよりますが、エアウィーヴでは7〜8年ごとの買い替えをおすすめしています。
 

Q:2人で同じベッドで寝ても問題ありませんか?

 

パートナーの方の身長、体重、寝返りの頻度など、一人ひとりに睡眠のサイクルが異なるため、「気になる」という方もいらっしゃいます。睡眠学的なことだけでお話しするなら、【1人1台】が望ましいと考えます。
ですが、「誰かがそばにいると安心する」「一緒に眠りたい」という感情は私たちが想像している以上の心地良さをもたらすケースも。こればかりは「こうでなくてならない」ということはありません。ベッドを分けることがストレスになるようでしたら、そのままでもよろしいかと思います。
 

Q:子どもの睡眠環境はどのように整えたら良いですか?

 

ここ最近、成長期に当たる子どもの睡眠環境を見直す親御さんが増えています。脳は寝ている間にも成長しますし、良い睡眠をとることが教育にも影響を及ぼすことわかってきました。そこで見直されているのが、子ども用の寝具やベッドマットマットレス。一般的に子どもは成人に比べ関節が柔らかく骨が弱いので、睡眠環境を整えることは非常に重要なのです。エアウィーヴでも成長期のお子さまのために開発した商品を展開しておりますので、この機会にお試ししてみてはいかがでしょうか。

私たちの眠りを支える寝具。機能ひとつとってみても、こんなに知らないことがあるのかと驚いた方も多いはず。「これを機に、良質な睡眠をとるための“1歩”を踏み出してみてください」と長谷川さん。「日本の睡眠事情がもっと良くなるように、これからも皆さんに発信し続けていきたいと思います」。


次回は、「トレーナー、スエットはNG? 睡眠の質が断トツに上がる、ナイトウエアのあれこれ」を紹介します。

取材・文・撮影/長谷川真弓
構成/藤本容子(編集部)

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