1人10万円の特別定額給付金やコロナによる将来不安をきっかけに、投資に興味を持った人もいるのではないでしょうか。ステイホームが推奨された時期、各証券会社では投資口座を開設する人が急増。女性の申込みが昨年の2倍近くあったというところも。でも、「投資って、株のことでしょ?」というイメージで安易に手を出すのはちょっと待った!

初心者が近づいてはいけない投資もあれば、初めてでも安全に始められる投資もあるのです。ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんに、その違いを教えてもらいました。

 


コロナ禍で投資を始める人が増えている!?


――今回のステイホーム期間中、投資を始めてみたいと思った人が多いそうです。コロナによる景気の低迷は長引きそうなので、年金や老後資金について不安を抱くのも無理はないですよね。

 

深田晶恵さん(以下深田):それで先日、ちょっと驚いたことがあったんです。
今年刊行した本『知識ゼロの私でも! 日本一わかりやすいお金の教科書』をコーナー展開してくれている書店を訪ねたときのこと。マネー本担当の書店員さんに話を聞いてみると、最近、株やFXの本がよく売れているというのです。買っていくのはごく普通の主婦や会社員の方々とのことなので、おそらく投資ビギナーなのでしょう。

――投資に興味を持って本を読んでみるのはいいことなのでは?

深田:そうですね。でも、どうして株やFXなのでしょう?初めての投資なら、NISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)で投資信託を買うのが定石なので、私としてはかなりショックでした。

たとえば10万円の給付金を少しでも増やせないかな?と考えたときに、iDeCoやNISAといった新しい制度はむしろ難しいものだと思い込んでしまい、「株」「FX」、あるいは「不動産投資」などの言葉のほうが身近に感じるのかもしれませんね。

だからといって、投資の経験がまったくないのに個別株やFXに手を出すのは危険です。あえて断言しますが、知識のない「初心者が絶対やってはいけない投資」です。

いきなり株を買うのは、無免許でバイクに乗るようなもの


――株やFXが危険!? どうしてですか?

深田:ミモレのインスタライブでもお話したのですが、お金を貯めるという“道”にはいろいろな手段があると考えてください。

普通の貯金でお金の貯まるペースが“徒歩“だとすると、投資信託は“自転車“に乗るようなもの。歩いていくよりも自転車に乗ったほうが早く目的地へ着きますよね。つまり、目指す貯蓄額に早く到達するということです。

自転車の乗り方を学んだばかりのときは転んでけがをすることもあるかもしれません。ですが、ちゃんと練習して、交通ルールを守って乗っていれば転ばなくなるし、大けがをする可能性も低くなります。

じゃあ、株は何かというと“バイク“だと思ってください。いきなり乗りこなせるようなものではなく、教習を受けたりしないといけません。

――投資ビギナーが個別株を買うのは、免許もないのにバイクに乗るようなものなんですね。

深田:本を1、2冊読んで始めたとしても、たいていは失敗して投資嫌いになってしまう。そういう人をたくさん見てきました。株は生ものなので、投資信託と違って放置してはいけないんです。ステイホーム中はみんな株価を気にする余裕があったでしょうけれど、また仕事が忙しくなれば放っておくことになるのではないでしょうか。

私も15年以上前には個別株を買っていましたが、だんだんと仕事が忙しくなり、株価を日々追いかけることができなくなったのでやめました。

――では、FXは?

深田:FXにいたっては、もう特殊な“改造車“だと思ってください。私も含め、ファイナンシャルプランナーでFXをやっている人はいません!

FXは為替取引で、為替というのは綱引きなんです。「日本円/米ドル」なら、円かドルのどちらかの通貨が必ず負ける、リスクの高いゲームです。それに、レバレッジという仕組みがあって、少ないお金で何倍もの投資ができるので、損失が出たときの金額も大きくなります。

「FXはものすごく儲かる」という触れ込みが流布していますが、私の知るかぎり、勝ってやめた人はいません。数十万、数百万円と大きく負けたところでやめていくのです。

 
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