【質問７】漢方薬は効くのですか？


漢方薬は、昔から中国ないし日本でこの「冷え」に対しても長く使用されてきた実績のある薬剤です。経験的に効いている方がいるのに疑いはなく、一部の方には有効な可能性があります。

ただし、十分な科学的根拠が確立されていないことには注意が必要です。漢方薬に過度の期待を寄せたり、自分が効いたから友人にも勧めたりというのはなかなか難しいかもしれません。あくまでまずは原因へのアプローチが大切です。

また、サプリメントも同様です。冷え性への効果を謳っているものも見られますが、こちらにも科学的根拠がありません。冷えのようなよくある症状は、商売につながりやすく、冷えのあるあなたはまさにビジネスのターゲットになっているということにも意識を配っておいてください。すでにあなたを助けてくれているサプリメントがあれば、それを否定するつもりはありませんが、無駄なお金を使う必要はないと思います。
 

 

【質問８】冷え性の人は献血に行かない方がいいですか？


冷え性の人が献血に行ってはいけない理由はありません。献血を受けることで、血液の一部を失い、一時的に冷えが悪くなる可能性がないわけではありませんが、そこまで多くの血液を失うわけではありません。また、特別な事情がなければ、献血を受けたあとすぐにまた血液を生み出すことができ、元通りに回復します。

特に、このコロナウイルス感染症流行の今、献血は危機的に不足していますので、献血に関心を持たれているのであれば、ぜひご協力をいただければと思います。
 


関連記事
血圧を下げる６つの方法。「コロナで高血圧の治療を先延ばし」の危険度」＞＞

「腰痛は寝ていれば治る」は間違い！？医師が教える危険な腰痛と治し方＞＞

がん、骨粗しょう症、認知症。加齢による発症リスクと「予防法」＞＞


参考文献
1    Tan CL, Knight ZA. Regulation of Body Temperature by the Nervous System. Neuron. 2018. DOI:10.1016/j.neuron.2018.02.022.
2    Stjernbrandt A, Carlsson D, Pettersson H, Liljelind I, Nilsson T, Wahlström J. Cold sensitivity and associated factors: a nested case–control study performed in Northern Sweden. Int Arch Occup Environ Health 2018. DOI:10.1007/s00420-018-1327-2.