スタイリスト、ミモレコンセプトディレクターの大草直子が着こなしのアイデアや日々の思いを綴ります。
テレビで誰かの演説を聞きながら、初めて泣きました。政治的な政策や彼女のバックグラウンドは、私が語るべきではないので少し置いておいて。そう、アメリカで初となる、女性の副大統領の座につく見通しとなった、カマラ・ハリス氏の勝利演説です。
夫とCNNを見ていて、輝くような笑顔と自信、大きなエナジーで壇上に表れた彼女。女性の政治参加を象徴する、と言われている「白」。そのメッセージだけでなく、エレガントで柔らかく、同時に強さのあるパール色のスーツを着て颯爽と！ それだけでまず、「わああ！」と声が出ました。
その後のスピーチは、私でも理解できるようなはっきりとしたクリアな発音で、淀みなく、そして人々へダイレクトに真意が伝わる誠実さでこう語りかけました。
私が初の女性副大統領になるかもしれませんが、ラスト（最後）ではありません。
すべての少女たち、今夜この場面を見て、理解したはずです。この国は可能性に満ちた国です。
このフレーズで本当に涙が出て、止まらなかったのです。もちろん、国籍も年齢も（笑）、私に向けたメッセージでないことは明らかですが。こんなふうに語りかけられたら、きっと見ている「少女の母親たち」は心から安堵し、さらに希望をもっただろうなあ、と思いました。我が家は、夫が米国籍をもっているため、リオもマヤも今のところダブル国籍。関係ないようで関係あり。それだけでなく、広義で考えると、こうした考え方やメッセージが、全世界に広まれば、それで良いわけで。
言葉のもつ力。信念のもつ強さ。自分を信じる（自信）ことの美しさ。協力し、シェアし、相互理解を進め、認め合うことの、なんと尊いことか――そのことに感動して、の涙でした。この週末、抜粋し、子供たち（女子も男子も関係なく）に伝えようと思いました。
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