先週末は英国にとってとても重要な、戦没者追悼式典が行われるリメンバランス・サンデーでした。その前日(8日)には、エリザベス女王が3月のロックダウン以来初めてロンドンへ戻られ、プライベートでウェストミンスター寺院をご訪問。そこに眠る無名戦士の墓に追悼の意を示されました。

その際、注目されたのがマスク!なにせ、初めて公開されたエリザベス女王のマスク姿だったのです。やはり英国を代表するファッション・アイコンだけに、マスクとファッションはしっかりコーディネートされていました。

この日の装いは全身ブラック。鮮やかファッションが常の女王にとって、唯一黒をお召しになるのが、追悼式など”喪”に関連した行事の時だけ。

初めてお披露目された女王のマスクとは?そして、御歳94歳エリザベス女王が見せる、貫禄と気品にあふれたブラックスタイルをご紹介します。

 

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エリザベス女王初のマスクファッションを紹介

写真:代表撮影/ロイター/アフロ

英国政府のガイダンスに従い、寺院内での行事の場合マスクの着用がマスト。こればかりは女王とて例外はありません。

公の場でのマスクデビューが、まさかのブラックスタイルとは、女王ご自身も想定内だったのか気になるところですが、それほど黒いマスクのインパクトは強いですね。
とはいえ、白では病人風で、きっと悪目立ちしそう。ならば雨の日の傘チョイスと同様、マスクもお洋服と合わせて黒というのが、やはり妥当。
しかしただの黒で終わらせないところが、女王のお洋服担当アンジェラ・ケリー氏のこだわりを感じます。

トリミング=お顔との境界部分を白にすることで、肌色は明るくなり、でもマスク自体は目立たず。そして小顔効果も?とまで考えられたかはわかりませんが(笑)でも視覚効果はバッチリです。

絶対的存在らしく、エリザベス女王のマスクスタイルは、クール&スタイリッシュでした。

エリザベス女王のブラックスタイル基本ルール

写真:AP/アフロ

通常公務では、カラーパレットさながらの鮮やかなファッションを披露される女王は、ブラックスタイルの場合でも、お洋服のデザイン自体は大きく変わりません。
ノーカラーや襟付き、ロールネックなどのクラシックなコートが中心で、どれも完璧にその時の女王のボディに美しく沿うよう作られています。見た目だけではなく、着心地も考慮された上でのサイズ感です。

国民が女王を認識できるよう高さのあるお帽子は、決してお顔を隠すことのないようにも考えられています。バッグはロウナー、靴もアネーロ・ダビデのものと、こちらも通常公務で愛用されているものと同じです。

簡単にいえば、いつもと異なるのは、洋服の色がブラックに変わっただけ。それなのに女王の印象は大きく変わっただけでなく、むしろノーブルで威厳すら感じさせます。
一般的には無難とされる”黒”ですが、実は個性がなければ負けてしまうほど、高度で強い色。女王のように、強さとパワーをもつ方こそが、着こなせる色だと実感します。

 
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