【質問4】病気が起こるメカニズムをもう少し詳しく教えてください。


病気の起こるメカニズムを大きく分類すると、アレルギー関連のものとそうでないものに分けられます。

アレルギーとしては、身近なところで言えば花粉症やハウスダストへのアレルギーなどが当てはまります。アレルギー以外では、温度の変化や特定の匂いに反応して起こるということもあります。これらの原因で炎症が鼻や鼻の奥の副鼻腔というところに起こると、その反応として鼻水が作られます。この鼻水が喉に垂れ込み刺激する、あるいは炎症それ自体が咳の信号を伝える神経を刺激することで、咳という症状につながると考えられています。

また、論文によっては、先にご紹介した感冒後咳嗽もこの病気の概念の中に含まれていることもあります(参考2)。

 


【質問5】どうやって診断するのですか?特殊な検査は必要ですか?


ここまで紹介してきたように、咳が続くという症状に加えて、鼻水が出やすい、鼻水が喉の方に垂れ込んだ感覚がある、喉の「つまり」を感じて咳払いをするというような症状があると典型的です。

しかし、これらの感覚に欠く患者さんも珍しくなく(参考4)、ただ咳だけが続いているけれど、他の病気にも該当しないということもよくあります。そのような場合にもこの病気を疑います。

診察所見として、喉の奥の粘膜にアレルギーや後鼻漏で見られる特徴的な所見が見つかれば、それも診断に有用ですが、実際にはそういった所見が見られないこともよく経験されます。

また、この病気の診断に大きく貢献してくれる検査というのはなく、診察を終えた段階でも確定診断がつかない場合もあります。

そんな場合には、丁寧に他の病気の可能性も検討しながら、診断がまだ確定しない段階で治療を試してみることがあります。治療を試し、それにより症状が改善した時に、初めて診断が確からしくなるのです。このプロセスを診断的治療と呼びます。

このように、診断はなかなか一筋縄ではいかないことも多いのですが、少しずつ可能性を狭めていき、診断的治療も含めて丁寧に診断を導くプロセスが大切になります。

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