40歳という節目で、女性は自らの生き方を振り返るものではないでしょうか。
「こんなはずじゃなかった」と後悔しても過去は変えられず、心も身体も若い頃には戻れない。
これは立場の異なる二人の女性が、それぞれの人生を見つめ直す物語。
アラフォー独身の進藤早希は、離婚を決めた親友・美穂の夫から呼び出され、暴力的に腕を掴まれ戦慄……その場に居合わせた年下カメラマン・北山隼人に救われる。そして美穂もついにDV夫と直接対決した。
***
DV夫と決別した妻の、深い愛
「美穂……!大丈夫……!?」
カツカツと足音がして、美穂がエントランスホールへ戻ってくるのが見えた。
慌てて駆け寄るも、彼女は下を向いたまま顔を見せようとしない。イヤな予感を覚えて肩を抱くと身体が小刻みに震えていた。
「どうしたのよ……もしかして、またあの人に何かされた!?」
先日、美穂の夫から掴まれた腕の痛みが蘇る。ねじ伏せてやろうという強い力……思い出すだけで恐怖が蘇った。
「ああ、やっぱり一人で行かせるんじゃなかった。私が横にいれば……」
カフェでの修羅場を報告すると、美穂は突然「貴之さんに直接会ってみる」と言い出した。
やめたほうがいいと必死で止めたのに彼女の意志は固く、早希が一緒に行くと言っても「二人で話したい」と断られてしまったのだ。それで仕方なくホテルまでは同行し、エントランスで待っていたのだが……やはり強引にでも同席すべきだった。
後悔とともに暴力男への嫌悪が湧き上がってくる。
「……違うの」
「え?」
しかしようやく顔を上げた美穂は、瞳に涙を溜めて口を開いた。
「貴之さんにも、幸せになって欲しいと思って……」
【写真】40歳で大企業を追われた女のリアル……
▼右にスワイプしてください▼
Comment