モラハラに耐え続けた女の逆襲...専業主婦が得た最大の「武器」とは_img0
 

40歳という節目で、女性は自らの生き方を振り返るものではないでしょうか。

「こんなはずじゃなかった」と後悔しても過去は変えられず、心も身体も若い頃には戻れない。

これは立場の異なる二人の女性が、それぞれの人生を見つめ直す物語。

これまでの話
夫のモラハラに悩む専業主婦の美穂は、ついに暴力を振るわれ息子と実家に逃げた。その後、親友の早希大学の先輩である透に支えられ少しずつ自分を取り戻していくが、夫が無断で息子に接触したことが判明した。
 


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別居中のモラハラ夫の暴走

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「……今日、学校にパパが来たよ」

息子が絞り出すような小さな声でそう言ったとき、美穂は全身の血の気が引いた。

湊人の肩に置いた手に思わず力が入る。なるべく冷静に話を聞くべきなのに、動揺が隠せない。

「パパ、何しに来たの……?」

湊人は先日、転校の手続きを済ませたばかりだ。夫は何を目的にやってきたのだろう。

美穂が家を飛び出してから、貴之は何度も「一度謝りたい、会って話がしたい」との連絡を寄越した。しかし返信はしておらず、すでに弁護士からの通達も受け取っているはずだ。

DVやモラハラが原因で別居し離婚手続きをする場合は特に、これ以上夫婦対面の話し合いをする必要はないと弁護士は言った。暴力が繰り返されたり、再び美穂が洗脳されるリスクもあるからだ。

とはいえ、貴之が大人しく美穂側の主張に従うとも限らないのだ。万一、湊人を連れて行かれていたら……と思うと、気が気でなくなった。

「……ママのこと、愛してるって言ってた」

「え……?」

「……あと、ぼくのことも……。パパは反省してるし、もう絶対に怒ったりしないから、家族仲良くしたいって……それで、ケンタッキー食べて帰ってきたよ」

そこまで言うと、湊人は再び口を噤んでしまった。フライドチキンは湊人の大好物だが、ファーストフードは基本的に貴之に禁止されていた。

「ごめん……みーくん、ごめん。ごめんね……」

美穂は正しい返答がわからず息子を抱きしめ謝り続けたが、彼は涙をこらえるように顔を背けたまま、じっと動かなかった。

【写真】可愛い子供に裕福な生活……自由のない専業主婦・美穂は幸せ?
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