【家庭のお金のギモン③】
持ち家 vs 賃貸、結局どっちがお得?

 

西園寺:ちなみに、家庭を持つとなると気になるのが、持ち家と賃貸、どちらが得かという問題です。先輩や友だちに聞いても、意見がすごくわかれるんですよ。一生家賃を払い続けているなんてムダだって言う人もいれば、せっかく買っても地震でつぶれたら終わりだ、なんて言う人もいて、よくわかりません。

加谷:これは永遠の問いですね。私も実によく聞かれるんですよ。ストレートに答えると、「資産価値のある家を手に入れられるなら、賃貸よりマイホームがおすすめ」となります。なぜか「マイホームを買いましょう」と言うことを期待されていることが多いんですが、実際にはそんなに単純に言えるものではありません。どちらが得かと拙速に答えを求める前に、知ってほしいことがあります。会計的に見ると、マイホームか賃貸かによって、住まいの意味がまったく変わってくるという点です。

 

西園寺:会計的にってどういう意味ですか?

加谷:賃貸住宅の場合、家賃は家庭という事業を営むうえでの「経費」です。ですから、いくらの家賃が妥当なのかは、その支出に対して得られる効用のバランスによって決まってきます。ここでいう効用というのは、住環境に対する満足感です。「家賃」というコストに対して、十分なリターンがあるのであれば、経費の使い方として「成功」しているといえるでしょうし、そうでないならタイミングを見て引越しを検討すべきでしょう。