加谷:一方、マイホームの場合、買った瞬間に「資産」になりますから、単なる「住宅」ではなく、「資産形成」の視点で考えるべきです。その意味で、何より資産価値が下がらない物件を選ぶことが絶対条件です。
一般に日本の住宅は価値を維持できる期間が短く、戸建てで平均30年程度しかもちません。マンションだともう少し長くて、平均50年くらいでしょうか。マイホームを買うなら、少なくとも自分が死ぬまで、資産価値が担保できる家であることが必須の条件です。そういう物件を見つけることができたなら買ってもいいでしょうね。間違っても「そろそろマイホームが欲しいから」「子どもも生まれたことだし」などと十分に吟味しないで買ってはいけません。あっという間に価値が暴落して、しまいには「負動産」になってしまいかねませんから。
こう考えてみると、比較すべきは持ち家か賃貸か、ではないことがわかるんじゃないでしょうか。持ち家にしても賃貸にしても、それぞれの軸で成功か失敗か分かれます。
『お金で絶対に苦労しない方法を教えてください!』
著者:加谷珪一 プレジデント社 1500円(税別)
誰でも一財産築けて、100歳になってもお金が残るマネープランとは? 将来のお金に不安を抱える独身女性に、経済評論家であり、長年にわたる貯蓄と投資で億単位の資産を築いた著者が、「お金と仲良く」する方法を講義方式で教えます。私たちの暮らしに即したお金の貯め方・使い方はもちろん、損をしない住まい選びに、投資によるお金の増やし方まで、人生にかかわるお金の知識について幅広く網羅。読めば“将来のお金のために今やるべきこと”が明確になる一冊です!
構成/金澤英恵
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加谷 珪一さん
1969年宮城県仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済評論家として金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。著書に「感じる経済学」(SBクリエイティブ)、「ポスト新産業革命」(CCCメディアハウス)「お金持ちはなぜ、「教養」を必死に学ぶのか」(朝日新聞出版)、「お金持ちの教科書」(CCCメディアハウス)など。