生活スタイルに合わせて江ノ電沿線も視野に


鎌倉駅から江ノ島・藤沢の海岸線10kmを結ぶ江ノ電沿いにも物件は多く、鎌倉駅周辺に比べると価格はリーズナブル。通勤問題さえクリアしてしまえば、住みやすいエリアです。ちなみに、先ほど紹介した長谷も江ノ電沿線になります。

鎌倉駅と逗子駅の間に位置する逗子マリーナ。ヤシの木が立ち並ぶ敷地内は南国さながらの雰囲気で、住民の中には「徒歩で行けるハワイ」と呼ぶ人も。

七里ヶ浜は整備された住宅街がどことなく世田谷に似ていて、海も近くて気持ちがいいですし、スーパーもドラッグストアもあるので馴染みやすいかもしれません。稲村ヶ崎は夜7時頃には暗くなるようなエリアですが、駅前には八百屋や肉屋、コンビニ、さらには温泉もあって、住む人によっては暮らしやすいと感じるのではないでしょうか。鎌倉から江ノ電で20分の腰越は、昔ながらの商店街や魚屋があって下町のような雰囲気がある一方、東京オリンピックを見据えてなのか、新しい店やマンションも増えました。これから栄えるエリアかもしれません。この辺りまで行くと鎌倉駅周辺とはだいぶ雰囲気が変わるので、何を重視するかによってきます」

秋田さんが言うように、湘南の魅力はさまざまです。北鎌倉から鎌倉にかけては山が連なり、俗世間から離れた静かな雰囲気。凛とした空気が流れていて、ここを訪れて古都・鎌倉らしさに魅了される人も少なくありません。また、江の島と大船を結ぶ湘南モノレール沿いは観光客が訪れない住民向けエリアで、郊外の住宅地のような景色が広がっています。

 

鎌倉とは異なるカルチャーを持つ海辺の街・逗子


鎌倉のお隣、逗子は観光地ではない分、鎌倉に比べて地に足がついた街と言えるかもしれません。東京の郊外の街のような雰囲気で、駅周辺には地元のスーパーやランドマーク的存在の魚屋「魚佐次商店」もあります。逗子に限らず、鎌倉や葉山には駅から離れたエリアでも昔ながらの八百屋や肉屋があり、食に困らないのがいいところ。移動販売で魚が売られていたり、農家の直売所があったりと、食には事欠きません。

そして逗子には、「逗子都民」という言葉があるほど都内へ通勤する人が多くいます。その理由は、東京方面へ向かうJR横須賀線と京急の始発駅だから。お隣の鎌倉駅もラッシュを除けば座って都内まで行けますが、ここ逗子は確実に座れる駅として都内通勤組には人気です。

新橋、東京、恵比寿、渋谷、新宿、池袋。どの駅にも1本&1時間ほどで行くことができて、しかも各列車に2車両分のグリーン車があるので通勤時間も無駄になりません。コーヒーを飲みながらPCでメールチェックをする人、読書に没頭したりインプットの時間に充てる人、帰宅時間にはビール片手にリラックスする人が多いのも頷けます。50km以内であれば780円、逗子⇄新橋間でも1,000円出せば快適な1時間が待っているので、人によっては毎日グリーン車で悠々自適に通勤という人も。タクシーのちょっとそこまで料金と変わらない値段で確実に座れるとなれば、それはもうグリーン車を選びますよね(コロナ前の金曜夜は座席の取り合いで座れないことも多々ありましたが)。ちなみに都内発の終電は23時半過ぎまであるので、1人いそいそと飲み会を切り上げて……という必要もありません。