物質的な豊かさや安定が良しとされていた時代が終わりを告げ、2020年末に新たな「風の時代」が到来──。スピリチュアルに興味がない人にも、いつの間にか浸透していた「風の時代」というキーワード。モノは所有せずにシェアする文化が当たり前となり、互いに助け合って横のつながりを大切にする。常識に縛られることなく、好きな場所で自由な働き方を。

でもそんなことを急に言われても……と、ピンと来ない人もいるかもしれません。ですが日本には、この「風の時代」が来る前から横のつながりやコミュニティを大切にしてきた地域がいくつもあります。
そこで、以前から風の時代を予期していたかのようなコミュニティ作りを行っている湘南・鎌倉エリアに注目し、鎌倉在住の筆者がローカルコミュニティの魅力を紹介します。

 

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NPO発祥の地・鎌倉


観光客が多いせいか、人慣れしている人が多く、飲食店に入ると「どこから来たんですか?」が挨拶代わり。近くに住んでいると分かったら常連客も交えてひとしきり盛り上がるなど、とにかくフレンドリーな人が多い街。それが4年間鎌倉という街に住んだ筆者の印象です。分け隔てなく接する人間関係は大人だけに限らず、地域の子供たちは学校や学年の垣根を超えて仲良くなる光景がごく普通に存在します。(詳細は本稿にて)

実は鎌倉はNPO発祥の地と言われ、古くからボランティア活動も盛んに行われてきました。高度経済成長期には、鶴岡八幡宮の裏山の宅地開発を巡って市民が立ち上がり、募金活動を開始。これを機に、日本で初めて環境保護を目的としたナショナルトラスト団体「鎌倉風致保存会」が発足したのです。

報国寺の竹林。鎌倉の自然の中には意図的に守られたものも多いのだそう。

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鎌倉移住した筆者が見た、美しすぎる鎌倉・湘南の数々
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