「不動産投資」に興味を持っている人が、知っておきたいこととは?
住宅ローンソムリエ®であり、さらにアパートローンソムリエ®として、年間100名を超える不動産投資の個人相談も受けている中村諭さんに、マネーコラムニスト西山美紀が話を伺いました。

 

西山:「不動産投資」については、一般的な情報が少ないため、よくわからないという方も多いと思います。実際に不動産投資をしたいと思ったら、前回は、「本を100冊読みましょう」というアドバイスをいただきましたが、ぜひ知っておきたいポイントについて教えていただけますでしょうか。

中村諭さん(以下敬称略):はい、意外と知られていないことや、何も調べずに実際に不動産投資を始めてしまった後に気づくということがよくあります。3つお伝えいたします。

 


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① 不動産投資によって「自宅を買えなくなるケース」も


中村:3年くらい前までは、実は不動産投資をしていても、自宅を購入する際に「住宅ローン」を組めたんですね。
つまり、不動産投資のローンを組んで借金があったとしても、「住宅ローンの審査については、不動産のローンは換算せず、あなたの年収などで判断しますよ」という仕組みだったのです。

でも現在は、不動産投資をしていたら、それがローンを抱えていると見なされます。
もし年収500万円の方が、不動産投資で月10万円のローンがあれば、年間120万円の返済ですよね。年収500万円に対して、24%を占めます。

さらに自宅を買って、住宅ローンで月10万円支払いたいとなると、不動産投資の方とあわせて年間240万円のローンとなり、年収に対して48%になってしまいます。
それでは、住宅ローンの審査が通りません。
つまり、不動産投資のローンを抱えていることで、住宅ローンが組めず、自宅を買えなくなるケースがあるのです。そういう方が、最近少しずつ増えてきていると感じます。

西山:不動産投資で、家賃収入があって、ローンと差し引きゼロだとしても、それでOKというわけにはいかないのですね。

中村:はい、「家賃収入は収入としてみなしません」というケースが多いです。

西山:確かに、入居者がずっといてくれるとは限らないので、家賃収入は確約された収入ではないですものね。自宅を買いたいと思ったときに、不動産投資をしているために買えなくなってしまったら……大変。

中村:そうなんです。5年くらい前に不動産投資を始めた人は、当時は大丈夫だと言われて始めていたのに、今になって家を買おうと思ったら買えなくなる、というケースも起こっています。
当時の不動産投資の営業マンが「自宅も買えますよ」と言っていたとしても、それは当時の制度や条件では決して嘘ではありませんでしたが、制度や条件は時代とともに変わっていくことにも要注意です。

将来的にマイホームを買いたいと思っている人は、不動産投資でローンを組むことには十分注意してください。

 
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